生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)によって、社会生活に困難が発生する発達障がい。昔は落ち着きのないこども、ボーとしたこども、生活はふつうにできるのに極端に成績が悪いこども、こだわりの強いこども、としてとらえられていました。正確な数は把握されていませんが、学童児の6%、30人クラスであれば1~2人の割合で、発達障がいのこどもがいつといわれています。クラスや家庭の困り者、として長い間とらえられていましたが、実は一番困っているのは、発達障がいのあるこども本人であるのです。2000年に入ったころからようやく日本でも認知されてきましたが、西洋諸国と比べれば、まだまだ周知はできていないようです。
NHKは、11月11日(日)から25日(日)の2週間、この発達障害に焦点を当てた番組を、総合、Eテレ、ラジオ第1で一挙に放送します。詳細はNHKのホームページをご参照ください。
第一弾として、先週のプロフェッショナルで、福井大学医学部小児神経学の友田明子先生のことが取り上げられていました。子供の不適切な養育(Maltreatment)によって、子どもの脳が変形して、その変形した脳は、適切な介入によって再び元に戻る、という画期的な研究をされた方です。親同士のDVを目撃した子供は視覚をつかさどる後頭葉の体積が減るというデータを2012年に発表されています。Reduced Visual Cortex Gray Matter Volume and Thickness in Young Adults Who Witnessed Domestic Violence during Childhood 現在は日本中の発達障がいのこどもや虐待などが原因で問題行動をおこすようになったこどもさんとその家族の治療をしておられます。自分でおせっかいなおばさん、と評していましたが、とにかく診察は熱心。子供以上にその子をとりまく母や父の心配をされて、なんとか家族ぐるみでキュアしようとしておられます。なかなかできないです。
基本的にNHKが製作する番組は大変優れていて面白いので、この機会に番組をみられて発達障害に対する理解を深めるといいと思いご紹介します。