雨の1日でしたが、昼から県立病院で行われた上記講習会に参加、勉強してきました。
まず、野津町の恵みの聖母の家の施設長、佐藤圭吾先生による、日本の小児在宅医療の現状や実際の重症児を見るポイントとコツについて、1時間の講義がありました。天草でお世話になっていたはまゆう療育園の星出龍志先生の提唱しているIJLS(重心児施設に特化した救急訓練)についての紹介もありました。その後、実際に在宅に移行した2つのケースについての事例検討会を多職種の構成員による9つのグループに分かれてワーキング形式でディスカッションを行いました。在宅医療が世間の注目を集めるなか、この様子はOBSの夕方のニュースで10/25水曜日に報道され、特集も組んでくれるそうです。
新生児医療の進歩で、これまで生きてゆけなかった赤ちゃんたちが、助かるようになったのですが、それでもやはりある一定の数の超重症児は発生し、NICUやこれまでそのような子供を受け入れてきた重症心身障害児施設はどこもパンク状態です。同時に医療機器の進歩で、昔は考えられなかった人工呼吸器や中心静脈栄養管理が自宅でもできるようになりました。なので、昔は病院でしか見れなかった超重症児・準超重症児も、自宅でみれるようになり、国の在宅医療推進という医療政策の誘導もあり、在宅に移行して医療ケアの必要な子供たちはどんどん増えてきています。重度の心身障害をわずらったお子さんを自宅でみれることは、確かに子どもさんにとっても家族にとっても望ましいことではありますが、一方、365日24時間、主に母親がつきっきりで子どものケアをしなければならなくなります。最初はいいけど、家族にばかりに押し付けたら家族は疲弊することは目に見えています。だから、行政、医療関係者、それに教育関係者など、自分たち地域の開業医をふくめ社会全体で支えてゆかないといけません。
残念ながら、大分県には、人工呼吸器をつけた呼吸状態の悪い超重症児を短期入所できる施設が、野津町と別府の2つしかありません。これからどんどん在宅で管理する重心児が増えている現状があり、たいへんな思いで重症児のお世話をしておられるご家族とお子さんたちを地域社会全体で支えるような仕組みがはやくできるようにならないといけないし、自分も微力ながらすこしでも貢献できればと思いました。今後もこのような会に積極的に参加して勉強し、行政や訪問看護などの多職種の方々とつながりをもてれば、と考えます。