昨夜、アルメイダ病院研修センターで行われたワクチンフォーラムに参加しました。演者は長崎大学小児科教授の森内浩幸先生で、演題は「期待にワックワク、疑問もワックワク~ワクチンの何、なぜ、どうやって?」と楽しい講演会でした。
人類の健康に最も貢献したのはきれいな水の供給とワクチンであること、ワクチンを摂取しつつけるということで、抑え込まれている恐ろしい病気がたくさんあること(はしか、百日咳、ポリオ、ジフテリア、破傷風、ヒブや肺炎球菌による細菌性髄膜炎、結核、日本脳炎などなど)、病気がなくなったからといってやめたらすぐに病気はでてくること(ベルリンの壁崩壊後のロシアでのジフテリアの再燃など)、ワクチンの重大な副作用というのは本当はジャンボ宝くじ1等当たるくらいまれで、多くのワクチン被害といわれているものは濡れ衣やたまたまの紛れ込みであること、ワクチンのもたらした福は当たり前になってしまって誰もみーんな忘れているけど、何かあればネタになり注目を受け、ワクチンの害だけがクローズアップされてしまって積極的な接種勧奨の差し控えとなっていること(平成17年から21年の5年間の日本脳炎ワクチンや平成25年からいまだに解除されていない子宮頸がんワクチン)、ワクチンに副反応があってはならないと考える人たちは、どうして抗生剤を安易に欲しがるのだろうか?よほど有害なのに、有害事象ゼロのワクチンが開発されたらそのワクチンを毎週打てばいい、永遠の命が与えられるでしょう、ワクチンをすることで医療費や生活費はずいぶんカットできること、おたふくかぜワクチンが定期接種されていない先進国は日本だけであり、そのために他の先進国ではお目にかからなくなったおたふくかぜを見ることのできる先進国は唯一日本だけであること、ヒブワクチン定期接種化されて、インフルエンザ菌による髄膜炎は日本でも消えたが、アメリカではすでに21年も先に導入され、髄膜炎による死亡や後遺症はなくなっていた、日本で導入されていなかった21年間の間に細菌性髄膜炎で死亡したり後遺症が残ったこどもたちに、我々小児科医は重い責任があることなどなど。
1時間の間に、大量のスライドを怒涛のように話されていきました。日頃自分の思っていることすべて代弁してくれたかのような講演でした。でも子宮頸がんワクチン、どうするんでしょうか?当然自分の娘には昨年接種済です。世界中で子宮頸がんで亡くなる若い女性がみられる先進国は日本だけ、という日が来るのも遠くはない、と案じている日々です。また世界の物笑いのねたにならないよう、国ははやく差し控えの則解除してほしいものです。あと、おたふくかぜワクチンの定期接種も。