
主な疾患
気管支喘息

症状と原因
肺への空気の通り道である気管支が、何かのきっかけで縮んで狭くなる病気です。発作的にゼーゼーヒューヒュー言い出したり、咳き込んだりすることが多いです。布団などに潜んでいるダニなどの死骸を含むほこり(ハウスダスト)に対して、気管支の壁が過敏に反応して(アレルギー反応)、慢性的に気管支の炎症が起きていることが、この病気の正体です。
治療法
そういう”気管支の弱い子”が、風邪をひいたり、たばこの煙やほこりを吸ったり、低気圧が通過したりしただけで敏感に反応して、気管支が細くなるといわれています。常にハウスダストを吸っているので、発作の時だけ治療するのではなく、毎日気管支の慢性炎症を抑える”定期薬”を使用することで、喘息発作が起きにくい気管支になります。
当院では、日本小児アレルギー学会作成の「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」に沿って、気管支喘息の治療・管理を行います。
食物アレルギー・アトピー性皮膚炎

症状と原因
軽いものも入れれば、日本人の赤ちゃんの10人に一人の割合で何らかの食物アレルギーをもつといわれています。最初の気づきは、乳児湿疹が治りにくい、アトピー性皮膚炎があるといわれた、という赤ちゃんの皮膚のトラブルからが多いです。
最近の研究では、寝具に含まれるたまごや乳製品、小麦製品などの成分が皮膚に付着、ガサガサして荒れた皮膚を通して食物成分に”感作”される、といわれています。
治療法
残念なことに特効薬はありませんが、幸いなことに、食物アレルギー児の人(約9割)は、小学校入学時には、自然に問題なく食べられるようになります。離乳食開始時期から、安全に行える医療機関で負荷試験を積極的に行い、徐々に食べられる種類や量を増やしていくと、早く治ることが多いといわれています。
当院では、食物アレルギーが疑わしいお子さんに、離乳食開始時期の早い段階から積極的に経口負荷試験を行って、集団保育が始まる3歳くらいを目標に、除去食解除できることを目指して診療しています。
- 注意:当院では3歳未満のお子さんの静脈血採血検査によるアレルギー検査は原則行っておりません。
詳細な理由についてはこちらをご参照ください。
アレルギー性鼻炎・花粉症に対するスギ・ダニ舌下免疫療法

舌下免疫療法をおすすめしております
4人に一人が罹患して、今や国民病といわれているスギ花粉症をはじめ、ダニアレルギーのために年中、くしゃみ、鼻水・鼻づまりに苦しんでいる方に朗報です。
アレルギー免疫療法(昔は減感作療法と呼ばれていました)は、以前は週1回皮下注射で治していきましたが、痛みを伴うこと、時に激しいアレルギー症状が出現するリスクがあること、頻繁な受診が必要であることから、アレルギー性鼻炎の根本療法でありながら、なかなか普及してきませんでした。2014年秋から、ようやくスギ花粉やダニに対する舌下免疫療法が順次保険適応となりました。
当院はスギ・ダニ舌下錠処方資格を取得しております
当院はスギ・ダニ舌下錠処方資格をとっておりますので、開院以来、多くのアレルギー性鼻炎・花粉症の保険診療を行って効果を上げています。もちろん以前からおこなわれた皮下免疫療法も行っております。お気軽にご相談ください。
ウイルス感染症

春から初夏にかけての感染症
春から初夏にかけて、入園後からさっそくかかる感冒。熱、はなみず、咳、嘔吐、下痢の症状をきたし、そのほとんどが気道や腸管の粘膜に感染するウイルスによるといわれています。RSウイルスやヒトメタニューモウイルスがゼコゼコ言いやすい赤ちゃんの気道に感染したら、細気管支炎や肺炎になって重症化することがあります。
また、ロタウイルスワクチンをしていないお子さんにとっては、恐怖の季節です。ロタウイルス腸炎という脱水を伴う嘔吐・下痢症を発症してしまい、点滴、入院になるお子さんも多い時期です。
夏の感染症
夏になると、アデノウイルスによるプール熱やエンテロウイルスによる手足口病、ヘルパンギーナ、ウイルス性発疹症がでてきます。小学生以上の学童時は、このウイルス感染による無菌性髄膜炎の発症にも注意が必要になります。保育園にいきはじめて夏に悪化してしまう「水いぼ」もウイルス感染症です。保育園によってはプールを禁止されることもあり、お子さんの生活の質を落とすこととなります。
秋の感染症
秋になると、ゼコゼコするお子さんは要注意。夏に爆発的に増えて死にはじめるダニの死骸を吸い込んで気道は鼻の粘膜があれたところに、ライノウイルスという鼻かぜウイルスが感染。すると容易に気管支喘息の発作が引き起こされます。
冬の感染症
冬、これはインフルエンザの季節。日本中、どこにいってもマスク顔。ワクチン接種をしていない人は、脳炎や肺炎、心筋炎におびえる時期となります。この時期はどこの休日当番医院も満員電車さながら。はなほじ検査やインフルエンザの薬を求めて、時間問わず患者さんが押し寄せて、患者さんのみならず、医者も保護者も疲労困憊となります。
当院では、小児科医院であれば必ず診ることになるであろう、これらウイルス疾患について、診療するだけではなく、保健所が行っている「感染症発生動向調査」の小児科定点医院として、県内の最新のウイルス感染症発生動向を院内掲示板に提示して、皆様方に情報提供をしております。月間院内情報誌「シックキッズニュース」でも話題の感染症情報にフォーカスして情報提供しております。
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