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シックキッズニュース 10月号 (No.53) それでも今年もインフルエンザワクチンを強く勧めるわけ

シックキッズニュース 10月号 (No.53) それでも今年もインフルエンザワクチンを強く勧めるわけ

猛威を振るったコロナ第5波もようやく下火になりました。コロナワクチン接種も9月半ばには国民全体の半分を超え、コロナ対応が後手に回り(誰がやってもコロナに打ち勝つことなどできなかったのですけどね)、短命に終わった菅内閣もこれで面目躍如、といったところでしょう。

一難去ってまた一難、ではないですが、冬になると心配になるのは、「インフルエンザ」です。毎年このニュースでは2月に花粉症、9月にインフルエンザワクチンにフォーカスするのが恒例です。コロナ禍の中のインフルエンザ対策のキーとなるインフルエンザワクチン。今年もこれにフォーカスします。

今月のフォーカス それでも今年もインフルエンザワクチンを強く勧めるわけ

  • 1.昨年どうしてインフルエンザが全く流行しなかったのか
  • 2.今シーズン、インフルエンザは流行するのか
  • 3.それでもインフルエンザワクチンを強く進めたいのはなぜか
  • 4.インフルエンザワクチンの供給が遅れ、供給量も去年の2割減となる見通し
  • 5.インフルエンザの大流行した記憶を忘れずに、ワクチン接種は毎年必ず行い、インフルエンザ流行がない世界が続きますように

1.昨年どうしてインフルエンザが全く流行しなかったのか

昨年の大分県内のインフルエンザの報告は、大分市保健所管内の定点の医療機関で第2週と第9週に1名ずつ、県2名のインフルエンザ発生が報告されただけでした。

2015年から2001年までの大分県のインフルエンザ発生状況

また大分県衛生研究所に持ち込まれたインフルエンザ様疾患の患者さんの検体からは、1月に3検体、3月に1検体、合計4検体から、インフルエンザA H1 pdm(つまり2009年に流行した新型インフルエンザウイルス)が検出されただけでした。

全国的にみてもインフルエンザの報告は2020年1月上旬にいったん増えそうだったけど、1月中旬から増加は止まり、2月からはほとんど患者発生がなくなりました。このニュースを書いている9月末現在まで、インフルエンザの発生を全国的に認めていません。

過去10年間の日本国内のインフルエンザの流行状況(国立感染症研究所の情報から)

どうして昨年インフルエンザが世界的になくなってしまったのか。東京医科歯科大学の濱田篤郎先生の「インフルエンザ王朝の落日~ウイルス干渉や国際交流遮断で流行消える~」をはじめ、ネットでもいくつか解説されている通り、いくつかの仮説があります。

  • ① コロナを恐れるあまり、世界中でマスク、三蜜回避、手洗い、アルコールによる手指消毒などの徹底的な飛沫感染予防策がとられ、飛沫感染で伝搬するインフルエンザなども同時に予防できたこと。
  • ② コロナの世界での蔓延を防ぐために、水際対策のため国や地域をまたぐ移動が世界中で抑えられた。そのことにより北半球のインフルエンザウイルスが昨年は南に移動することがなくなり、南半球でのインフルエンザ流行が消え、同時に冬に南や東南アジアから来るはずのインフルエンザウイルスが北に来なかったこと。
  • ③ インフルエンザウイルスが蔓延する前に、新型コロナウイルスが蔓延したので、「ウイルス同士の干渉作用」が起きて、インフルエンザウイルスが効率よく増えることができずに排除された。
  • ④ インフルエンザと新型コロナが同時に流行る「ツインデミック」を避けるために、政策でインフルエンザワクチン生産量がいつもの年の2-3割増え、また人々のインフルエンザ予防の意識も高まり、インフルエンザワクチン接種率が上がった。

まだあるかもしれません。おそらく濱田篤郎先生のご指摘通り、②の世界的な「人流抑制」・・・これを好んで使う専門家がいますが、人を物と同レベルに扱っている気がしてどうなんでしょうか・・・と③の「ウイルス干渉」が効いていると思いますが、結局は様々な対策や人々の行動変容が合わさって昨シーズンはインフルエンザをはじめ、様々なウイルス感染症が激減したのでしょう。

私自身、自分のクリニックや外勤先を含め、昨年は医者になって初めてインフルエンザ患者さんを診ない年でした。例えば近年、大分県で最もインフルエンザが多かったのは2018年第3週(1月の第三週)でしたが、その週には、インフルエンザが1定点医療機関当たり、週に82.4人、(1日当たり約15人)のインフルエンザ検査陽性が発生しました。

そのころは、昼間もですが、夜間・休日急患センターや大分こども病院などは、流行期に入れば、恒例のインフル祭りで救急車は1日4-5台搬送してくるわ、で、それはそれはたいへんでした。それが去年から今年にかけてぴたりとなくなりました。インフルだけではありません。昨年はRS、ヒトメタ、ノロ、ロタ、ヘルパンギーナ、手足口病・・・ありとあらゆる感染症が消えてしまったのです(今年は違います)。コロナも正直全然子供ではいませんでした。感染症を主な生業としている小児科クリニックが、冬の間もぼーっとしていた原因がこれだったのです。おまけに風評被害で、「今は病院に行かんほうがいい」とかいわれることも普通にあり、食物アレルギーや喘息、アトピー、鼻炎などのアレルギー診療に来る方も減って・・・。

病気できついこどもが減るのはいいことですけど、本当は早いうちに罹って免疫ができないと、いつかは罹ってかえってひどいことになるのです。まさにコロナがそうですね。コロナもこどものころに罹ればそうでもないのに、免疫のない大人がかかると重症肺炎になる確率がぐんと上がって・・・こどもの時に感染症にかからないことがいいことがどうか。もう少し広い視野で考える必要がありそうです。

2.今シーズン、インフルエンザは流行するのか

今シーズンインフルエンザが流行するかどうか。阪大の忽那賢志先生のヤフーの投稿記事など、すでに読まれた方もおられると思いますが、前節で列挙した4つの仮説が正しく、そして今シーズンも繰り返されれば、おそらくインフルエンザ流行は今シーズンもないでしょう。

①の飛沫感染予防対策に関して、コロナ第5波がようやく終息して、10月から各地に出されていた緊急事態宣言も解除になりそうです。コロナのワクチンも驚異的なスピードで広がってきて、ワクチンの効果が異常に優れているので、ワクチン接種者に関しては、自身はもうコロナを恐れる必要は医学的にはなくなります。マスコミとかで「ブレークスルー」とかいってあおっているようですが、ワクチン接種者でも当然感染はしますが、ワクチンのおかげで症状は風邪程度となります。もちろん体力のない高齢者や基礎疾患が重い人は風邪ひいても命にかかわることはあるかもしれませんが、それは例外的と考えていいでしょう。例外的に重症化しても、そもそも感染数が減れば「医療ひっ迫」もないでしょうから、少ない重症化に集中してきちんとした医療を受けることも可能になります。なので、コロナワクチン接種が12歳以上の全国民に進むにつれ、社会がコロナ感染を許容する状況になるのはすぐそこに来ています。とはいえ、今年度くらいまではまだまだコロナの恐怖の記憶は残るでしょうから、しばらくはマスクや手指消毒の習慣が日本の社会からいきなり消えてなくなることはないでしょう。

②の国や地域をまたぐ移動制限について。コロナワクチン証明PCR検査陰性証明で入国を認める、など、いくばくかの制限解除の動きはでています。しかし今シーズンでの制限解除の拡大は現実的には困難でしょう。そもそも、今年の南半球の冬の時期(5-8月)や東南アジアではインフルエンザの流行はありませんでした。下の図は、今年のオーストラリアのインフルエンザ発生数です。オーストラリアで各週10人~20人程度の散発例しか報告されていません。

③のウイルス干渉ですが、コロナ第5波が去ってこのままコロナの世界的な流行がなくなれば、ウイルス干渉の効果はなくなり、インフルエンザウイルスが優勢になる日も近々来るかもしれません。が、まだ冬にかかり、年末年始にかけて必然的に人流が増えることが考えられ、コロナが完全に終息するとも思えません。やまり今シーズンはまだコロナ王朝はつづく感じがします。

以上から、今シーズン、インフルエンザが流行する可能性は極めて低いのではないかと推測されます。

3.それでもインフルエンザワクチンを強く勧めたいのはなぜか

あんまりインフルエンザワクチンの接種をあからさまに勧めると、「去年、ツインデミック、とか煽っておいて、結局インフルエンザとか流行らなかったじゃないか。あおるだけ煽って、ワクチンで稼ごうとしているんじゃね?」という声も聞こえてきそうです。それに前節で考察した通り、今シーズンもインフルエンザの流行が起きそうにないですね。しかし、それでもなぜインフルエンザワクチン接種したほうがいい、と勧めるのでしょうか? いくつか理由があります。

インフルエンザに対する免疫をブーストするため

インフルエンザウイルスが消えてしまった今、自然にインフルエンザウイルスに暴露する機会がなくなりました。するとどうなるか。病原体の暴露を受けなくなると、免疫は徐々に下がってきます。

どういうことか?はしかやおたふくかぜ、水ぼうそうの生ワクチンですが、私たちが医師になった平成の初めくらいまでは、1回接種で発症阻止効果は十分あるといわれていました。もちろんこれら生ワクチンの有効性が高いこともありましたが、平成の初めくらいはまだはしか・風しん・水ぼうそう・おたふく風邪ウイルスは普通に自然に存在し、ワクチン接種した人や既感染して免疫がある人達は、流行のたびにこれらウイルスに自然に再感染していました。そのたびに免疫にブーストがかかって、高い免疫を維持するのに寄与していたのです。ところが、ワクチン接種が広がり、はしか・風疹・水ぼうそう・おたふく風邪が流行らなくなると、自然にこれらウイルスに感染することがなくなり、免疫にブーストがかからなくなります。そのため、ワクチンを接種した人の中にもはしか・風疹・水ぼうそう・おたふくかぜにかかってしまう、いわゆるブレークスルー感染が起きるようになりました。このため、現在ではこれら生ワクチンは1歳になってすぐだけではなく、水痘は3~6か月後、MRワクチンやおたふく風邪は年長児に2回目のブースター接種が必要になりました。

麻しん発生数と予防接種政策の関係。1978年に麻しんワクチンが定期接種化され、患者数が順調に下がってきていたが、1995年の予防接種法改正(改悪です!)で努力義務接種化、集団から個別接種となり、接種率が50%程度におちた。そして2001年、患者数が増加し、麻しん輸出国、ワクチン後進国と国際的な批判を浴びた。それら外圧をきっかけに「1歳の誕生日に赤ちゃんに麻しんワクチンを」キャンペーンが始まった。

このはしか・風しん・水ぼうそう・おたふくかぜのように、自然に感染する機会が少なくなれば、免疫が下がってくるのです。インフルエンザに関しても同様のことが言えます。はしか・風しん・、水ぼうそう・おたふく風邪がほとんど出なくなった今だからこそ、それらの2回目のブースター接種が必要なように、インフルエンザがほとんど出なくなった今だからこそ、免疫が落ちないようにワクチンをする時なのです。

万一のインフルエンザ流行に備えるため

インフルエンザ流行が昨年から世界的になくなりました。専門家の中にも、インフルエンザはマスクやアルコール消毒を徹底的にしたら打ち勝った!とか無邪気に話している方がいます。本当にこれでインフルエンザウイルスは天然痘のように撲滅できるか?残念ながら答えは「ノー」。インフルエンザウイルスがこの世から消滅することはないといわれています。なぜか。

天然痘のように、地上からウイルスを根絶させるためにはいくつか条件があります。1つ、ヒトの間だけで感染すること。2つ、不顕性感染、つまり感染しているけど症状がでない状態がないこと。3つ、非常に有効性の高いワクチンがあること。「天然痘」、「はしか」、「ポリオ」に関しては、この3条件を満たしています。

ポリオは確かに不顕性感染がありますが、有効性の高いワクチンを乳児期対象に広く接種しています。日本では私が生まれる少し前の1960年大流行があり、全国で5,000人が発症。翌年、「絨毯作戦」として語り草になったポリオ生ワクチンの1300万人分の緊急輸入後、その全部を1か月で一気に全国の乳幼児・学童に投与してポリオ流行を阻止。そして1980年の1例を最後にポリオウイルスによるポリオは日本では消失しました。なんだか今のコロナワクチン緊急輸入とコロナ制圧に似ているエピソードです。この今でも語り草になっている1961年におきたポリオ生ワクチン緊急輸入の経緯は、平山宗宏先生の「ポリオ生ワクチン緊急導入の経緯とその後のポリオ」に詳しく書かれています。興味のある方は一読ください。

平山宗宏「ポリオ生ワクチン緊急導入の経緯とその後のポリオ」から、ポリオ生ワクチン「絨毯作戦」前後のポリオ発生数の推移

これらの感染症と違い、インフルエンザは人だけでなく、鳥や豚など、人以外の獣にも感染する、「人畜共通感染症」の一つです。また、最近では抗原キットが開発されてわりに簡単にウイルスの存在を検出することもできるようにはなりましたが、それでも感染しても症状がでずに、しかし感染力だけは存在する「不顕性感染」という状態があり、ひそかにウイルスは人の間で存在しうるのです。そしてインフルエンザワクチンはありますが、はしかワクチンや天然痘の種痘ほど優れたワクチンでもありません。天然痘のように消して撲滅されたわけでもなく、撲滅は不可能といわれています。インフルエンザは確かに去年からコロナに王朝の座をとって代わられましたが、インフルエンザは再度王朝復活の機会を虎視眈々と狙っているのです。

もう一つ付け加えれば、昨シーズンはすべての感染症が消えてしまった稀有なシーズンでしたが、今シーズンは違います。こどもでRSウイルスが5月から7月にかけて大流行したことを覚えていますか?このシックキッズニュース7月号でも取り上げました。この傾向は実は4月からみられ、春先の3月4月には乳児のライノウイルス感染症による微熱と鼻汁咳嗽、喘鳴が流行、RSウイルスが落ち着いてきた8月には、クループ症候群を引き起こすことが多いパラインフルエンザウイルス感染症を取り上げましたし、今執筆中の9月には園児を中心に、まさかの手足口病もどきの(エコー)ウイルス性発疹症が流行しているようです。小児科では、こどもに熱やカタル症状があり、両親が元気であればコロナではなく(当院では親や病児保育所の希望でコロナ検査した人でのコロナ陽性者はゼロ。唯一の陽性者は両親含む家族みんなに症状があるところのこどもだけ)、今まで流行していたウイルスが徐々に戻ってきた感じです。もしかしたらインフルエンザもくるか?・・・とすこし気がかりです。

11歳までのこどもはコロナワクチンがまだ認可されていないので、せめてインフルエンザワクチンだけは打ってあげたい

大人とは違い、12歳未満のこどもは新型コロナワクチンの対象ではないので、コロナワクチンを接種してやれません。生後6か月以上、12歳未満のコロナワクチンが認可されていないこどもたちには、せめてインフルエンザワクチンだけでも接種してやりましょう、という心情的な理由です。

12歳以上の方はコロナワクチンは認可されていますが、今の日本の決まり(なんとなくやめとこう、というエビデンスに乏しいガラパゴスルール)ではコロナワクチンとほかのワクチンと同時接種はいまだ認められておらず、コロナワクチンが2回済んたあと2週間たたないと他のワクチンは接種できません。それにのちに詳しく言及しますが、今年はインフルエンザワクチンの製造・出荷のペースが遅れ、供給量は昨年の2割程度だそうです。13歳未満はインフルエンザワクチン2回接種が必要なこともあり、それらの子供に優先的にうたせてやりたいですね。もちろんインフルエンザワクチンの出荷ペースは遅れていますが、いつものように12月中旬までは順次出荷され、接種希望者にはみんにに接種できる量は確保される見込みです。

4.今年のインフルエンザワクチンの供給量は去年の2割減で、供給ペースも遅れるが、最終的には例年の使用量は供給される見通し

今年のインフルエンザワクチンも、A型2株(新型インフルエンザ株と香港型、いずれも昨年から株は変更)とB型2株(山形系統とビクトリア系統で、昨年と同一株)の4価ワクチンです。もうすでに各医療機関にワクチンの納入が始まり、当院でも10月4日(月)から接種を解禁できる見通しです。

9月1日に開かれた「第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会」で、今年のインフルエンザワクチンの供給量は去年の2割減で、供給ペースも遅れるが、最終的には例年の使用量は供給される見通しであることが発表されました。

今年のワクチン供給量は2,567万本から2,792万本と、昨年の2割程度になる見通し

昨年はコロナとのツインデミックが喧伝され、インフルエンザも関心が強く、ワクチン製造も3,342万本と、近年では例がないくらい製造されました。予防接種状況調査でも、2歳から12歳までの小児では2度接種した割合が50%から70%、65歳以上の高齢者定期接種層を除く13歳以上の1回接種で40~50%。高齢者定期接種で、70歳以上が70%でした。例年だと、インフルエンザ予防接種率は全人口の1/3程度、65歳以上の定期接種がおおむね50%でしたので、昨年は例年になく高い接種率でした。

昨年度のインフルエンザ予防接種状況。コロナの

今年ですが、製造資材の入手が遅延したなどの理由で、昨年よりワクチン製造のペースが遅れたそうです。それで供給ですが、出足は確保に苦労しそうですが、12月中旬までワクチン出荷が順次続くそうで、最終的には例年の供給量は確保できる見込みだそうです。前節で触れましたが、おそらくインフルエンザ自体も少なくとも11月12月に大流行という雰囲気はないので、とりあえず今年中、あるいは来年の1月くらいまでに接種を終わらせて免疫をブーストしておけばよいでしょう。もしもこの冬コロナがもう来なければ、来年の春先はインフルエンザ襲来もあり得るかも・・・。

ワクチンの週次の累計出荷量の予想。去年(令和2年)に比べたら少ないが、平成29年、30年度並みの出荷は見込める

5.インフルエンザの大流行した記憶を忘れずに、ワクチン接種を毎年必ず行い、インフルエンザ流行がない世界が続きますように

インフルエンザがもし流行したら小児科はコロナどころではないです。インフルエンザは、大人が家庭に持ち込むコロナと違い、小学生や幼稚園保育園児を中心に蔓延し、家庭に持ち込み、あっという間に免疫にない保護者、兄弟に蔓延させます。コロナ同様、高齢者にかかると、主に細菌性肺炎を併発して死に至ることも多い病気です。「コロナとは違い、タミフルとか治療薬があるぜ~」と思っている方もいるかもしれませんが、症状軽減といっても、よくて発熱期間を1日程度しか短くする効果しかありません。5日熱が出るところが3~4日になる程度です。おまけに日本人の特徴なのですが、特に乳幼児でけいれんを起こして脳症を起こす率かかなり高いです。小学生でもけいれんや異常行動をおこす例もしばしばあります。私自身、30年にわたる臨床経験で、インフルエンザで痛い経験をした経験もあります。やっぱりワクチンでインフルエンザの重症化を防いで小児医療崩壊を防ぐしかありません。

わずか3年前、2018年のお正月を思い出してください。私は前日の大みそかに大分こども療育センターで日勤、翌正月に豊後大野市民病院の午前中休日当番をしました。大みそか、朝8時30分に大分こども療育センター到着時には広い駐車場はすでに満車。10時にはその日の電話受付終了。受付業務がパンクしてどうしようもなく10時以降、電話はだれもとれず、むなしく電話が鳴り響いていました。夕方4時に見た患者さんから朝9時前から並んでいたことを告げられびっくり。終了したのは夜21時前。翌正月の豊後大野市民病院午前診も終了したのは昼3時前でした。開院してまだ半年で、自分の病院に来てくれる患者さんはあまりいない時期だったので、よその病院での久しぶりの大入りの患者さんたちをみて複雑な気持ちにになったものでした。

このように、インフルエンザが流行してしまうと、受付休日・夜間急患センターには検査やタミフル希望の患者で待合室に入りきれないほどあふれ(車内で待つか、以前は階段に鈴なりに腰掛ける光景もみられた)、こども病院や県病には1日何台ものけいれん患者搬送対応でてんてこ舞い。夜も昼もない病院の若い小児科の先生たちは、時には待ち時間のクレームで罵倒されながら涙をこらえて眠い目をこすりこすり耐え、それこそ「24時間!働けますか♪」とリゲインか何か飲みながら休憩なしで頑張る日々は1か月ほど続きます。あの地獄を思い出したら、コロナ騒動とか何だったんでしょうか。コロナをほとんど診ていない一開業医としては、これ以上の不謹慎な発言は自粛・・・ですが、いずれにしろ、コロナのおかげでインフルエンザのない去年から今年を過ごさせていただき、小児科医は本当に幸せでした。今シーズンも昨年並みにインフルエンザワクチン接種がすすめば、インフルエンザのない2度目のシーズンも夢ではないかも。

診療内容:小児科・アレルギー科・予防接種・乳児健診
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