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シックキッズニュース 5月号 No72 5月8日コロナ5類移行でどうなるのか(5/14一部改訂しました)

シックキッズニュース 5月号 No72 5月8日コロナ5類移行でどうなるのか(5/14一部改訂しました)

やっと花粉が終わった、と思ったら、なんか西のほうから黄砂だのミサイルだの、いろいろ飛んできて心休まらないこの頃ですが、皆様方いかがでしょうか?

さて、3月でコロナの第8波も終わり、4月は当院では幸いにも一人もコロナ患者を診ませんでした。インフルエンザもやっと終わりが見えてきました。一方、新たに集団保育を始める坊ちゃんお嬢ちゃんたちが、保育所などでうつしあい始めて、鼻垂れこんこん児が増えてきました。これもコロナが始まる前までは普通に診られていた現象で、お子さんたちがしっかり病原体に対する免疫をつけるためには、どうしても通らねばならない鬼門みたいなもんで、必要悪というところでしょうか。いくら感染対策を徹底しても、いつかはウイルスに感染してしまうわけです

そのコロナもついに5月8日から感染法上の位置づけが5類に移行します(4月27日正式決定)。憎きコロナも正代・御嶽海ではないですがついに事実上の平幕への格下げです。コロナが5類に移行したら一体どうなるのか、皆さん方も関心が高いのではないかと思います。そこで今月は、コロナ5類移行について、フォーカスしてみようと思います

今月のフォーカス 5月8日コロナ5類移行でどうなるのか

  • 1.3月13日以降、マスク着用は個人の判断にゆだねることになりました
  • 2.行動制限の要請はなくなります
  • 3.患者の医療費負担は増えますが、こどもはこれまで通りです
  • 4.コロナの診療できる病院がふえます
  • 5.コロナと診断された患者さんのフォローや入院要否判断は診断した医療機関が行うことになります
  • 6.コロナワクチンは高齢者や基礎疾患有の重症化リスクの高い方は春と秋の2回、それ以外の5歳以上は秋1回は決まっており、これまでどおり無料です

念願の5類降格でコロナ騒動も沈静しウィズコロナのフェーズに

  • コロナが始まってから世界はどうなったか
  • オミクロン禍で1年以上5類移行が見送られて起きたこと
  • 5類降格でマスク着用や行動制限は自主的な判断に
  • コロナ診療の状況は大きく改善されるでしょう
  • 一方、乳幼児の診療上不要なコロナ検査はへるでしょう・・・そんなことはないようです。5/14訂正しました

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これまでのコロナの感染法上の位置づけはどうだったのか。2年前の2021年2月に「新型インフルエンザ等対策特措法の改正法」に従い、新型コロナは「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」に変更追加されました。感染症法上の位置づけは、あなおそろしやの新型インフルエンザレベルだったというわけです

「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられると、国民に外出自粛要請や緊急事態宣言のような、2類以上の強い行動制限を強いることもできます。実際2020年4月から2021年9月まで、多い地域では4度緊急事態宣言が発令されました。感染者には10日間(のちに7日間に短縮)の療養期間が設定され、事実上の隔離が行われ、無症状の家族などにも濃厚接触者として就業制限や、外出自粛要請が行われました。2類以上の強い措置です

今年に入り、国はやっとコロナの感染法上の位置づけを「季節性インフルエンザ」相当の5類への移行を本格的に検討開始しました。1月下旬に政府は春くらいまでにコロナを季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に移行を目指す方針を明確に立てました。1月26日に首相と厚労大臣らとの会合で、大型連休明けの「5月8日」に5類移行をする方針を固めました。翌27日に首相官邸は「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更等に関する対応方針について」を新型コロナウイルス感染症対策本部決定として発表しました

要約すれば、①5月8日からコロナの感染法上の位置づけを「5類」へ移行する ②それに伴い、特措法に基づく住民や事業者などへの感染対策の協力要請などの措置を終了する ③時限措置だった医療費公費を段階的になくしてゆく ④多くの医療機関にコロナ患者に対応してもらう ⑤発生届は終了し、定点医療機関による感染症動向把握へ移行する ⑥基本的な感染対策としてのマスク着用やコロナ患者の療養期間は基本的に個人の自主的な判断にゆだねる ⑦濃厚接触者の行動制限撤廃 ⑦コロナワクチンの公費負担は続ける ⑧水際措置について検疫感染症から外す ⑨新型コロナウイルス感染症対策本部や都道府県対策本部は廃止する などといった方針を示しました。関心のある所から具体的に見てゆきましょう

1.3月13日以降、マスク着用は個人の判断にゆだねることになりました

早く来い来いお正月♪ではないですが個人的には待ちに待ったマスク着用義務撤廃です。卒業式や入学式、入社式に配慮するために、5類以降に先立ち、3月13日から原則着用要請を撤廃してくれました。しかし、「本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、ご配慮お願いします」という思い切った文言付とは思いませんでした。ただし、受診時や医療機関・高齢者施設などに訪問する際、通勤ラッシュなど混雑した電車・バスに乗車する際はマスク着用を推奨しています。また高齢者や妊婦、基礎疾患のお持ちの方が感染拡大時に混雑した場所に行くときにマスク着用は感染から守るのに効果的、という文言をつけることも忘れていません。

2.行動制限の要請はなくなります

5月7日までは、コロナと診断された患者は最大7日間、濃厚接触者は最大5日間の療養期間という名の行動制限がありました。これが基本的には撤廃されます。行動制限要請の法的根拠はなくなり、療養期間は個人の自主的な判断にゆだねられます

厚労省としては、医療機関や高齢者施設などで勤務する従業員の就労制限期間を、発症日を0日目として「5日間」は外出を控えること、もし5日間以上症状が続いた場合は、症状が軽快して24時間経過するまで外出を控えて様子を見ることが推奨される、という方針は示しています。 感染者のご家族ですが、濃厚接触者と保健所から特定されることもなくなり、外出自粛も求められません。ただし、感染者と接触後7日間は発症する可能性があり、特に5日間は自身の体調に注意し、基本的感染対策を行い、高齢者などハイリスクの人との接触を控えるなどの配慮をすることを、お願いベースでお勧めしています。学校保健安全法も改正される見込みで、児童生徒のコロナ出席停止期間は、現在も7日間から「5日を経過し、かつ症状が軽快後1日を経過するまで」に短縮されるようです

3.患者の医療費負担は増えますが、こどもはこれまで通りです

これまで無料の医療機関でのコロナ検査やコロナ診断後(陽性判明後)の医療費は患者の自己負担になります。NHKの試算によれば、70歳未満の3割負担の方で、コロナ検査をして陽性で解熱剤とコロナ治療薬を処方してもらった際の外来医療費は初診で最大4,170円、インフルエンザでタミフルと解熱剤処方で最大4,450円だそうです。コロナ治療薬は公費負担あり、インフルエンザ並みで収まっていますが、9月以降は公費負担がなくなる可能性もあり、その場合はラゲブリオ処方の場合、外来での自己負担は最大3万2,470円だそうです

幸いにも15歳未満こどもの保険診療に関しては、大分市をはじめ多くの市町村が自己負担分の公費助成を行っているので、負担が増える分は助成されますので変わりません。他の疾患との公平性の観点(というかそもそも財政的にいつまでもバラマキはできないのが本音でしょう)から支援が縮小されるのは当然です。先に触れましたが、コロナ治療薬や入院費用は高額なので、それらの医療措置が必要な患者さんの負担軽減のため公費は時限的に残されるようです

4.コロナの診療できる病院がふえます

現在、コロナを含め発熱外来診療を行っている医療機関は全国で約4万2,000施設ですが、これをだいたい6万4,000で受け入れる体制を目指しているそうです。この数字は季節性インフルエンザの検査を1件でもしたことがある医療機関の数だそうです。入院施設もコロナ病床確保してきた約3,000施設から、全国8,000のすべての施設で受け入れる体制をめざす模様です。

医療機関側としては、これまで飴としてくれていた様々な手厚い加算や検査の公費負担がなくなり、経費と手間だけが残ることになります。それにコロナ自体の重症度もオミクロンでかなり落ちて、発熱患者の診療はしても、そもそもコロナだけを検査であぶりだす必要性は薄れ、とくに6歳未満児への検査実施数はおそらく激減すると思います。この年齢で検査実施がへる理由ついては後述しておきました

5.コロナと診断された患者さんのフォローや入院要否判断は診断した医療機関が行うことになります

熱が出て、コロナかもしれないと思われた方は、5月8日からは普通にかかりつけ医院を受診できます。「発熱外来」という言葉自体、5月8日以降は死語になります。もしかかりつけ医がない、なぜか受診を断られた、どこに行けばいいかわからない、休日夜間でかかりつけ医が求人時の受診や急変時でお困りの際は、大分県では「コロナ発熱・受診相談ダイヤル」として24時間対応で対応して患者さんにアドバイスしていただけます

大分県HPから引用

6.コロナワクチンは高齢者や基礎疾患有の重症化リスクの高い方は春と秋の2回、それ以外の5歳以上は秋1回は決まっており、これまでどおり無料です

2月8日に厚労省の専門家部会で4月以降のコロナワクチン接種の在り方についての基本方針が取りまとめられました。接種対象者は第一に「高齢者など重症化リスクが高い人」とし、そのうえですべての世代に対して接種の機会を確保することが望ましい」と、結局全員対象か、という玉虫色の結論でした。使用するワクチンは、ファイザー製オミクロン対応2価ワクチンが望ましいというになったそうです

4月1日、厚労省から「新型コロナワクチン接種についてのお知らせ」公表されました。3月に終了予定だったコロナワクチンの「特例臨時接種」は今後も延長されることになり、接種費用は無料のままです。12歳以上の65歳以上の高齢者、基礎疾患を有する12歳から64歳の方、医療従事者は2回の初期接種を終えていれば、春開始接種(5月8日から8月まで)を無料で接種できます。ワクチンはファイザー製オミクロン対応2価ワクチンです。9月から始まる秋開始接種では、5歳以上のすべての人がオミクロン対応2価ワクチンを接種します。65歳以上の高齢者や基礎疾患のある方は春と秋に1回ずつ打つことを推奨するようです。大分市のホームページにも案内がでています

4月1日発表の厚労省のコロナワクチンの案内パンフ

6か月から4歳までのお子さんは引き続きファイザー製従来型ワクチン3回接種をします。今のところオミクロン対応2価ワクチンはこの低年齢のお子さんには使用できません。こどものワクチン接種をされておられる施設は大変な混乱要因の部分かと存じます

5歳から11歳のお子さんへオミクロン対応2価ワクチン接種開始のお知らせ

念願の5類降格でコロナ騒動も沈静しウィズコロナのフェーズに

以上、5月8日の5類降格以降の、マスクや行動制限などの感染対策緩和、医療機関や保健所などのコロナ患者対応の正常化と、ワクチンは引き続き無料で接種できるなどの話をしてきました。この方針に基づき、5月8日の5類移行に向けて準備が進んでいるところで、皆様方がこれを目にする頃には無事に5類移行はつつがなくすんでいることでしょう。以下は開業3年目でコロナ騒動に巻き込まれ、試行錯誤しながら診療してきた一小児科開業医の戯言です。おそらく多くの医療関係者からは賛同を得られることは永遠にないと思いますが、興味があれば読み流してください

コロナが始まってから世界はどうなったか

2020年は輝かしい東京オリンピックイヤーになるはずだったのですが、年明け早々、コロナが世界中を襲いました。当初は、特に欧米、インドで大量の感染者と死者を出して、SARS並に恐れられてきました。2020年2月、政府は新型コロナウイルス感染症を「指定感染症」としました。指定感染症とは「1類から3類レベルに相当する対応が早急に必要だが、まだ1~3類に分類されていないので、とりあえず1年間の期限で政令で分類する感染症」ということです。正体がまだつかめないけれどもその当時の世界の感染状況と医療崩壊状況をみるに、この処置は当然です

コロナは2021年2月に一番左から一番右に移行した

実際に特措法に基づき、同年4月から1か月以上全国に緊急事態宣言が出され、日本中の街から人の姿が消え、当然のようにオリンピックも1年延期されました。以後、2021年9月まで五月雨的に緊急事態宣言は出され、多い地域では合計4回の緊急事態宣言を食らいました。今となっては緊急事態宣言もオリンピックも、もう記憶から消えそうな感じになっています

各都道府県に対する緊急事態宣言の実施期間

2020年2月のコロナ騒動の当初から、コロナは事実上2類以上の扱いを受け、指定医療機関でしか診ることができない事態になりました。当院は、幸いにも2020年11月という早い段階(まだ子供のコロナがいなかった早期)に県の診療検査医療機関に指定していただきました。当初は指定機関の公表は差し控えられており、後になるまで知らなかったのですが、このころは意外にもどこもコロナ診療に手を挙げるところとかなかったみたいです。当院のような実績のないところでも指定していただけたのでしょう。のちに判明したところによれば、2020年当初は大分市の小児科医院は数件しか手を挙げなかった状況だったそうです

当院のコロナ抗原検査数(青+黄色)と陽性数(黄色)の週足の推移(県の診療検査医療機関に指定後から今年3月いっぱいまで)。2020年から2021年の発熱児は激減していたことがここからも推定されます

指定の医療機関には、患者を診断したら「直ちに」保健所に発生届けを提出しなければならない、それに検査機関でも徹底した感染防止対策(ゾーニングやPPE)が求められました。その代わりコロナに関わる診療の医療費は公費で賄い、加算も包括外で算定でき、発熱外来を行う指定医療機関には手厚い助成金が実施されました。2020年、コロナで患者が激減して苦しい経営を強いられていた小児科・耳鼻科医院にとってはまさに恵みの雨(飴)。以後、診療検査機関の希望はどんどん増え、昨年の第6波から8波のコロナのこどものフェーズではほとんどの小児科医院で検査ができる体制になりました。まさに飴と鞭が功を奏したというわけです

オミクロン禍で1年以上5類移行が見送られて起きたこと

昨年コロナがオミクロン主体になり、感染数は爆増したのですが、幸いに重症度はさがり、こどもなど多くは悪くても季節性インフルエンザレベル、ふつうはそれ以下で不幸中の幸いでした。それにも拘わらす、なぜかオミクロンにかわってからも、なぜか依然と医療崩壊スパイラルは止まらなかったことは、当時のマスコミの報道の通り。重症度は下がったのにどうしてそんなことが起きたか?もちろん当初私自身もてはやしたコロナワクチンの感染予防効果の減衰が予想以上に早く起きたことを抜いては語れませんが、それはここではおいておくとして。それはオミクロンで重症度がさがってからも1年間以上漫然と2類相当の「新型インフルエンザ等感染症」に据え置かれたこと、特に「無症状の濃厚接触者の行動制限」に大きな問題があったのではないか、と今だからかもしれませんが思います

コロナにかかったら10日間(のちに7日に短縮)の療養という名の行動制限、そして家族もひとからげに濃厚接触者として5日間の体調管理という名の行動制限措置が取られました。医療従事者などエッセンシャルワーカーが、ワクチンを何度も何度も打たれたにもかかわらずコロナにかかったり、あるいは家族がコロナにかかって濃厚接触となり健康観察療養に入る。それではのこされたスタッフに大きな負担がかかるため、外来診療休止したり病棟閉鎖するところが出てくる。何とか持ちこたえているところに患者は集中し、そして次はそこが許容範囲を超えてしまい…と崩壊の負の連鎖が起きてしまったと考えます

このようにしてコロナの大波が襲うたびに各地で医療崩壊が起きました。例えば、夏の第7波の時なんか、大分でも小児救急の柱、こども病院で多数の医療スタッフが、ほぼ一斉に職員が感染したりこどもたちが家庭に持ち込んだコロナのために濃厚接触者認定され出勤不能となり、大分市の小児救急医療体制維持が困難になり、まじでシャレにならない事態になりました。一方、ワールドカップのスタジアムではみんなノーマスクでドンちゃんしていたのに、帰国する飛行機に乗りこむや否やみんな一斉にマスク姿に戻る(いまごろマスクしてもおせーっちゅの笑)、といった、なんだかドリフのコントをみているかのような悲喜こもごもの珍騒動が起きてしまったわけです

5類降格でマスク着用や行動制限は自主的な判断に

マスク、といえば、大流行時期ではその効果も空振りに終わったようです。考えてみたら、オミクロンになってから結局家庭内感染がバンバンでるわけです。いくらマスク好きの国民でも家でマスクとかしている人なんかさすがにいないわけです。家でマスクしてないので、家族の誰かがコロナになればみんな濃厚接触となるわけです。いくら人込みでマスクして感染を防いだ気になっても、家に帰って濃厚接触。何やってんだ、意味ないやんとなります

そんなマスクですが、5月にG7サミットの主幹を務める日本で、さすがに世界の主要先進国の国賓がたにマスク着用を強要して記念撮影、というわけにもいかないよね、という話になったのでしょうか。これも外圧でと言ってもいいと思いますが、今年に入り政府もやっと5類降格への検討加速。そして待ちに待った3月13日、マスク原則直用義務撤廃。これまで新幹線とかこだまやひかり、つばさだと、次の駅に着くまで「いつも感染対策にご協力云々」の感染対策協力強制のお話を長々きかされ、発車してまた同じ話を長々聞かされ、ノイズキャンセリング機能付きヘッドホーンや大量のお茶のペットボトル(さすがに飲んでいる時はマスク外してもにらまれない)が必須アイテム。せっかくの旅の移動が台無しでした。それも過去の話となりつつあります

そしていよいよ5月8日、念願のコロナ5類となったわけです。正直遅きに失した感はあり、ぐずぐずしてたら第9波目前、とシャレにならない状況になりつつあります。でも仕事らしい仕事をされたのはこれが初めてではないでしょうか。この政治判断は素晴らしいと思います。是非最後まで強いリーダーシップでやり切っていただきたいです。しかし、まさか国が卒業式や入学式でのマスク着用を推奨しないよう要請してくるとは思いませんでした。この変節には、ビフォア&アフタではないですが「なんということでしょ~」と驚いてしまいました

感染者の療養期間や濃厚接触者の健康観察期間は、5月8日以降は基本個人の自主的な判断になります。周囲の人や事業者もこの個人の自主的な判断が尊重されるよう配慮することが求められます。これまでみたいに、コロナの陰性証明がなければ出勤できないとかはなくなります。もちろん医療従事者や高齢者施設の従業員に対しては、発症してから5日間かつ症状が軽快してから24時間程度経過するまでは外出を自粛し、10日間はマスクし、ハイリスクの人との接触を控えましょう、とは書かれています。それでも従業員の家族にコロナが出た、などという理由で医療機関が機能不全に陥るリスクはだいぶん減ることになると思います

コロナ診療の状況は大きく改善されるでしょう

これまではかかりつけ医は診断までがお仕事で、あとは行政に丸投げで忸怩たる思いをしてしたが、5月8日以降はインフルなどと同様、診断医が責任をもって経過を診ることになります。5類降格後は内科・小児科・耳鼻科医院でインフルの鼻ほじほじ検査ができるところであれば、受診はお断りできないでしょう。5月8日からは発生届もなくなり、インフルエンザ同様、定点医療機関が週1の年齢別患者数だけの報告で済むから、医療機関とか特定されることもありません。「院内感染を出してしまったらクラスター認定され、マスコミに公開、つるし上げにあうのでコロナ診ませんよ」と診ないところもあったと小耳にはさみましたが、5月8日以降は原則、内科や小児科、耳鼻科でインフル鼻ぐりぐり検査しているところであれば全施設発熱患者は受け入れざるをえないでしょう。5月8日以降は「発熱外来」そのものが死語になるので「発熱外来がいっぱいなのでよそに行って」や「かかりつけ患者限定です」という塩対応も、いろいろ抵触しそうな感じです。やっとコロナコロナでなくなりいいことだと個人的には思います

患者さんたちも、当たり前ですが、病気の知識もあまりなくそもそも顔も知らない保健所の職員さんより、顔見知りで相談しやすく何万回と風邪のこどもを診てきている風邪専門家のかかりつけ医に治るまで責任もって診てもらった方がそりゃいいでしょう。我々医者の方だって、コロナが治るまでの経過をしっかりみたことなんてなかったのでこれからはきちんと経過を診たいし、鑑別診断(といっても誰でもできる鼻ぐり検査くらいだけど…)から処方薬の調合(といっても熱さましや吐き気止めで十分のようですが…)など、本来の医師としての力が試されるわけで、ようやく当たり前の医療体制ができる時が来たなと前向きに考えています。入院調整や休診時の対応も、幸い大分市に関しては、いつでも気軽に相談できる年中無休で頑張っておられる大分こども病院が控えており、その後ろにも県立病院小児科や大学病院まであり、我々地域の小児科開業医や住民は大変恵まれています。県庁や保健所も入院調整については相談に乗ってくれるようで、ありがたい限りです

一方、乳幼児の診療上不要なコロナ検査はへるでしょう・・・そんなことはないようです。5/14訂正しました

前回のこの章の記載に「多くの小児科医院では未就学児には小児科外来診療料や小児科かかりつけ診療料を算定しているので、検査料が包括され、経費分が損になるので、検査が減るでしょう」と述べていましたが、前提に大きな間違いがありました。訂正してお詫びいたします。3月31日付の厚労省の通達「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」のp15の⑤に「小児科外来診療料」や「小児かかりつけ診療料」などを算定している場合は、別途、コロナの検査料や判断料を算定できるとなっていました。つまりコロナに関しては検査料や判断料も請求できる、ということになりました。確認不足でありました。申し訳ありません。包括される(つまり検査しても検査料を請求できない)と思い込んでいたのですが、いろいろ大人の事情でおそらく時限的に認めるというになったのでしょう。どちらにしても15歳未満の大分県在住ならば保険診療分は実質公費負担ですので、こどもの患者さんに関しては金銭的な負担はありません

診療内容:小児科・アレルギー科・予防接種・乳児健診
tel.097-529-8833
診療時間
9:00~12:00
14:00~18:00
休診日:火曜日・日祝日
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