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シックキッズニュース 9月号 (No.52) コロナワクチン、こどもにどうなの?

シックキッズニュース 9月号 (No.52) コロナワクチン、こどもにどうなの?

今年の夏は台風や秋雨前線のおかげで、2年ぶりの高校野球もやってるのかやってないのかよくわからんし(まだやっとるやん~みたいな)、なんかシマラナイ夏になっちゃいましたね。おまけに都会で猛威を振るっているコロナ・デルタ株が、やっぱり全国に広がりました。そのコロナを終息させる切り札といわれているのがコロナワクチン。医療従事者や高齢者接種がようやく一段落し、ようやく12歳以上の全国民を対象に広がってきました。それに伴い、12歳以上のお子さんを持つ保護者の方から、こどもへのワクチン、どうなの?という問い合わせを受ける機会が増えてきました。そこで、今月は「コロナワクチン、こどもにどうなの?」と、コロナのワクチンにフォーカスして考えてみました。

今月のフォーカス 「コロナワクチン、こどもにどうなの?」

1.現在までに認可されているコロナワクチンの復習

2.こどもに限らずファイザー製のRNAワクチンを接種するときの注意点がいくつかあります

3.接種後のアナフィラキシーが心配なのですが…という問い合わせが多いです

4.ワクチン接種後に病気になりやすいということはないでしょうか?という問い合わせもあります

5.水痘ワクチン導入が遅れた日本では、水ぼうそうにかかった人の割合が他のワクチン先進国よりも多く、コロナワクチン接種後の帯状疱疹が他の国より問題になっているようです

6.12歳以上の対象者の思春期のこどもへのワクチンの必要性と接種後の注意点

7.乳幼児から小学生までの学童児にコロナワクチンは必要か?

8.結局どうなの?

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澁谷の若者対象の予約不要のワクチン接種会場には朝早くから長い行列ができた(8/27yahoo記事から)

1.現在までに認可されているコロナワクチンの復習

コロナワクチンについては、過去のこのニュースで取り上げています。国内で現時点で認可されているワクチンは3つ。ファイザー製の「コミナティ」と、モデルナ社「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の2つのRNAワクチン、アストラゼネカ製の「バキスゼブリア筋注」のウイルスベクターワクチンです。ファイザー製は医療従事者や高齢者の優先接種に使用され、モデルナ社製は東京・大阪の大規模接種センターや職場接種で使用されてきました。アストラゼネカ社製のベクターワクチンも、遅ればせながら8月23日から大阪市と川口市で40歳以上の希望者やアレルギーのためにRNAワクチンを打てない18歳以上の希望者で接種が開始されました。今のところ少なくとも大分では生徒の学校での集団接種は計画されていないので、現段階で12歳から18歳までの生徒に使用するのは、ファイザー製のRNAワクチン「コミナティ」、ということになります。

いずれも核酸ワクチンといわれており、核酸を設計図にして、接種部の筋肉細胞を工場としてウイルスの一部のたんぱく質(スパイク蛋白といいます)を大量に作らせて、免疫細胞にウイルスの情報を伝達。コロナに対する免疫を得ることができるというものです。

この核酸ワクチンが本格的に人類に接種されたのは今回が初めてです。昨年12月から欧米を中心に接種開始されましたが、少なくともこれまではその効果は絶大で、副反応も熱や接種部の腫脹が大部分、と想定内。コロナ制圧の切り札の名をほしいままにしています。ワクチンがなかったらどうなっていたか、考えるだけでも身の毛がよだちます。

日本でも今年2月から医療従事者、4月から高齢者の優先接種が始まりました。今回第5波のデルタ株が猛威を振るっていますが、感染者の大部分はワクチンで守られていない50歳代以下の層で、高齢者に感染の広がりが抑えられているので、全体的には爆発的に増えている割には重症者や死者の割合は増えていない。マスコミで医療ひっ迫が連日のように報じられ、確かにコロナ重症病棟スタッフや訪問診療をされておられる医療スタッフのご苦労は察するに余るものがあるとは思います。それでも、もしワクチンがここまで行き渡らなかったらどうなったか、と想像するのも恐ろしいです。おおむね狙ったシナリオ通り、ことは進んでいると思います。

2.こどもに限らずファイザー製のRNAワクチンを接種するときの注意点がいくつかあります

8月25日現在、日本でもすでに6千万回以上、2回接種完了者は5千万人を超えており、ほとんどファイザーかモデルナ製のRNAワクチンなので、RNAワクチンの成人での「短期」のワクチンの効果と副反応についての知見はたまってきています。厚労省のサイト「新型コロナワクチンQ&A」の情報は最大公約数的な間違いがないものを記載しており、わかりやすいので、是非一読ください。

厚労省「新型コロナワクチンQ&A」のサイト

接種早期の懸念される問題点として、主に①接種部位の腫れや痛みなどの局所反応、②発熱、③アナフィラキシー発生があります。これらは、コロナワクチンだけではなく、どのワクチンや医薬品でも起きうる副反応として知られています。が、今回のRNAワクチン。これまでのワクチンと比較して、コロナ感染・発症・重症化に対する効果は超絶大なのですが、その分この急性期の副反応の発生頻度は正直に言うと多いようです。特に発熱と接種部位の局所反応は必発と考えていいでしょう。熱と筋肉痛、腫れは起きると考えてください。だけど、熱は多くは翌日から起きて、その次の日には下がると考えていいです。

熱が出たときの対応ですが、きつければ手持ちの、あるいはドラグストアなどで手に入る解熱鎮痛剤を使用しても差し支えありません。接種前に前もって使用するのはお勧めできません。接種部の発赤、腫脹、痛みに対しては、冷やすと少しは違います。運動など腕を酷使する動作や作業はできるだけ控えるように。普通はそれだけで3-4日もすれば軽快します。

ワクチンで発熱した場合でも、コロナを含め何らかの病原体の感染の紛れ込みの可能性が少しでもある以上、熱が下がるまでは学校は休む必要があります。3日も熱が続くことはないので、もしも熱が3日以上続くようなことがあれば、何らかの病原体感染の可能性が高くなり、受診が必要です。

3.接種後のアナフィラキシーが心配なのですが…という問い合わせが多いです

さて、一番多いのは、「こどもがアレルギー体質なので、アナフィラキシーが心配です」という相談です。直後のアナフィラキシー出現の確率は、先行接種国からの情報でインフルエンザワクチンなどに比べ、もともとやや高いだろうと予想されており、厚労省の発表では、7月25日までにファイザー製ワクチンで360件(100万回接種あたり5件)、モデルナ製ワクチンで103件(100万回当たり28.7件)の発生がありました。おおむね想定内であります。アナフィラキシー!と思われても多くはアナフィラキシーではなく、脳貧血(精神的に一時的に血圧が下がり、脳の血流がダウンしてふらつく)のことがほとんどです。横になって10分くらい安静にしていたら改善します。もし、本当にアナフィラキシーが発生したとしても、問診した医師が会場に用意している薬剤などで問題なく対応できます。接種会場設立事業者は、接種不適格を判断しアナフィラキシー発生時に対応するために医師を常駐させているわけで、のんべんだらりと問診するために我々医師がいるのではありません。コロナワクチンにかかわらず、すべての医療行為、とくにワクチン接種や投薬、負荷試験などは大なり小なりの危険性があり、起きたときに対応できるように医師が準備しておりますし、接種会場にやとわれている医師は最低でもアナフィラキシーに対応できることが条件であるはずなので、その辺は安心していいと思います。

4.ワクチン接種後に病気になりやすいということはないでしょうか?という問い合わせもあります

ファイザー製ワクチンは昨年12月からアメリカ、カナダ、イスラエルなどで使用されています。中でもイスラエルは、国策としてファイザー製ワクチンをいち早く多くのイスラエル国民に接種しました。そのイスラエルのクラリット研究所から、早速ワクチンの短期の安全性を示すデータが8月25日のニューイングランドジャーナルに発表されました。イスラエルのワクチン接種群と非接種群併せて約88万5000人のワクチン接種42日後の安全性を検討したものです。

オレンジがコロナ感染時の、青のバーがコロナワクチン接種時のリスク。ワクチン接種時のリスクは帯状疱疹とリンパ節腫大の2つのみ。心筋炎Myocarditisはワクチン接種して人も起きている(10万人当たり3件)が、コロナ患者では11件と圧倒的に少ない

それによると、接種42日後までに接種した群に統計学的に優位に出現した病気は、心筋炎リンパ節腫脹虫垂炎帯状疱疹でした。心筋炎で10万回接種当たり2.7回(リスク比3.24倍)、リンパ節腫脹は78.4回(リスク比2.43倍)、虫垂炎は5.0回(リスク比1.40倍)、帯状疱疹は15.8回(リスク比1.43倍)でした。

一方、コロナに感染した人は心筋炎が10万人当たり11.0人でリスク比が18.28倍と高いリスクした。ワクチン接種の10万人当たり2.7人の心筋炎が発症というのは、接種後は気を付けなければいけないが、ワクチン打たないグループの11.0人に比べると明らかに低いので、心筋炎のリスクがあるからといって使用できないという理由にはならない、と結論付けています。

リンパ節腫大は感染やワクチン接種で免疫が上がるときにふつうにみられる現象です。

虫垂炎(いわゆる盲腸)に関しては、私の考えですが、おそらくおなかの中の腸間膜(腸や虫垂を包む膜)の中のリンパ節も晴れるから、虫垂の付け根のリンパ節(回盲部リンパ節など)なんかも腫れるでししょう。ただでさえ細い管の虫垂の出入り口がふさがれてしまい虫垂内容物の通過障害が起きやすくなり虫垂炎が起きやすくなったのでしょうか?

5.水痘ワクチン導入が遅れた日本では、水ぼうそうにかかった人の割合が他のワクチン先進国よりも多く、コロナワクチン接種後の帯状疱疹が他の国より問題になっているようです

すでにお聞きの方も多いと思いますが、帯状疱疹は日本国内のコロナワクチン接種者でも比較的問題になっていました。私も個人的に今回のイスラエルでのワクチン接種後の帯状疱疹の発生はどうか、注目していました。が、10万人当たり15.8回でリスク比がたったの1.43倍だった、というのはいかにも肩透かしでした。帯状疱疹は水ぼうそうになった人たちが、多くは成人から老人になった時に体調不良時にウイルスの再燃が起きて発症するといわれています。他の欧米の国と同様のワクチン先進国であるイスラエルでは、2004年の報告の段階で水痘ワクチンの接種率は94%を超えると記載されています(平成22年7月7日厚労省水痘ワクチンファクトシートP10参照)。

イスラエルは現在、生後1歳と6歳児にMMRV(はしか・おたふくかぜ・風しん・水ぼうそう)の4種混合ワクチンが導入されています。20年前には国民の大部分に水痘ワクチンが導入されているイスラエルでは、水ぼうそうになっている人が日本に比べると圧倒的に少ないからではないか?と個人的に推論しています。一方日本で水痘ワクチンが正式に定期化されたのは2014年10月からでした。以後国内の水ぼうそう発症は劇的に少なくなりましたが、それまでは水痘の大流行が毎年春先になるとおきていましたので、コロナワクチン接種対象者の12歳以上の人はすべからく水ぼうそうにかかったことがあると思います。ということで、日本でのコロナワクチン接種後の帯状疱疹の発症の報告は、今回のイスラエルからの報告より多くなるだろうと思います。

日本では水痘ワクチン定期接種が始まる2014年までは毎年春になると大量の水ぼうそうが発生していました

6.12歳以上の対象者の思春期のこどもへのワクチンの必要性と接種後の注意点

ようやくこどもにワクチンをしなければならないのか、という話題にたどりつきました。これから始まる12歳以上の思春期対象のコロナワクチン接種の関心は高く、すでに厚労省日本小児科学会などの公的な機関、マスコミでもおなじみの忽那賢志・大阪大学感染制御学教授のYahooの記事などいろいろでていますので、それぞれリンクを貼っておきます。いずれも非常にわかりやすく、思春期のワクチン接種対象者をお持ちの保護者の方はぜひ目を通していただければ、と思います。

一般的には、12歳以上の若年青年層は、たとえデルタ株でも新型コロナにかかっても、多くの人は風邪で終わっている例が多いようで、幸いにも重症肺炎でどうかなる方は例外的のようです。ただし、この年齢層で問題になるのは、むしろそのあとのようです。つまり急性期の症状は感冒くらいで大したことがなくても、有名な味覚嗅覚障害や、体のだるさ、脱毛、動悸、食慾低下のようないわゆる不定愁訴が長期的に続く、いわゆる「ロング・コビット」という後遺症です。ネットなどではいろいろまことしやかに広がっているようですが、まだはっきりした因果関係やメカニズムが不明で、治療法も確立せいか、公的、あるいは専門家の解説でいいものがみつかりません。BBCの記事が比較的まとまっているようです。どうしておきるのか、まだ推論の域をでていないようです。確かに学業や仕事が続けられなくなるくらい、きついそうなので、かからないで済むのでしたらワクチンを頑張っていって感染を予防したほうがいいに決まっています。

RNAワクチン接種先行したイスラエルなどからの報告で、12歳以上の思春期層、特に男性に気を付けるべき副反応は、接種後4-7日くらいで起きる心筋炎でしょう。思春期、特に男性がRNAワクチンを接種した後、1週間ほどは、だるさ、胸痛、動悸、息切れの、いわゆる「救心」の宣伝文句の症状に注意しましょう。そのような症状がでればかかりつけ医に相談してください。聴診で不整脈や心雑音がないか見たり、心電図やエコーで心機能を評価してもらい、心筋炎発症が怪しければ二次病人にご紹介していただけるでしょう。幸いに、ワクチン後の心筋炎は、コロナ感染に伴うものより発症率や重症化は低く、ワクチン接種をむしろ勧める、と日本循環器学会から声明が出されているので、一読をお願いいたします。

思春期層がコロナワクチンを接種する医学的な利点、といえば「ロング・コビット」の発症予防くらいで、高齢者や基礎疾患を持っている人、あるいは医療従事者が接種する利点に比べるとかなりしょぼいようです。しかしこの思春期の層を含め、コロナワクチンを接種するのは、なにも医学的な利点だけではないです。それ以上に大事なことがあります。それは、ワクチンを接種してコロナからシールドして感染を起きにくくすることで、他人にも感染させるリスクを減らすことができる。主にヒトにしか感染しないコロナウイルスは、ワクチン接種が70%を超えてくると集団免疫が形成されコロナウイルスはSARSのようにこの世から自然に消えてゆき、「コロナ前の世界」にもどすことに貢献できる、いわゆる社会的な側面です。

すでに各国で「ワクチン証明書(パスポート)」が導入され、これがないと国境をまたぐ活動ができない、大規模イベント会場やレストラン、酒場に入るときにも必要とか、ポストコロナ時代ではワクチン接種が前提、みたいな話になってきています。もしかしたら受験会場や修学旅行参加要件にも・・・こんな話になれば、医学的よりも社会的な理由でワクチン接種は必須となる、まさに「本末転倒的」近未来がそこまで来ています。こんな理由で接種を勧めないといけない、というなんかサエナイ説明に終始している自分が情けなく思うこともあります。

7.乳幼児から小学生までの学童児にコロナワクチンは必要か?

これまでは接種対象者が高齢者中心、あるいは感染リスクが著しく高い医療従事者でした。特に高齢者は感染したら死を覚悟しなければならないくらいの疫病です。医療従事者は、自分が感染してしまえば、体力の弱った病気の人に感染させる恐れがあります。またほかの人に接種を勧める立場でもあります。ということで、これらの集団はコロナワクチンを接種する以外に選択肢はありませんでした。年齢的にも長期的な問題点を悩むことはそれほどでもないので簡単でした。また、中年、20代の前後の若者にとっては、もちろん重症化の防止もありますが、それ以上にこの年代は経済を回して支える大事な仕事があったり、なにより行動範囲が広く感染を家庭内外に広げる中心層ですので、集団免疫確保の面、あるいは社会的な面での必要性が副反応によるワクチンの負の側面を圧倒的に凌駕するために接種をを勧めています。

では現在はまだ認可されていない12歳未満のこどもはワクチンの必要性があるのでしょうか?こどもや思春期へのコロナワクチン接種に関して、5月に長崎大学小児科教授・森内浩幸先生が、医師のコミュニティーサイトM3に取材を受けたときの記事がありました。残念ながら医師会員でないと閲覧できないのですが、大変示唆に富む内容なので、要約して記載します。

森内先生は若いころアメリカでNIHの臨床センターの感染症専門医のトレーニングコースを修了後、ワシントンの国立小児メディカルセンター感染症・特殊免疫科(エイズ診療部門)で1年働かれた経験をお持ちで、小児感染症の基礎・臨床共にワクチン、とくに子宮頸がんワクチンやロタワクチン接種の定期接種化に大変尽力されてこられた先生です。5月の段階の記事ですので、まだデルタ株での流行前なので、アルファ株(イギリス由来)でのお話でした。

要約すれば・・・

  • こどもではアルファ株の場合は従来株よりむしろ軽症で済んだという報告もあるくらいで、変異株(アルファ株)だからといってこどもが重症化しやすいわけではなさそう
  • 先生の長崎大学でのご経験では、従来株、アルファ株問わず、免疫抑制剤をかなり使用している、喘息のコントロールが不良、など様々な入院中のハイリスクのこどもたちがかかっても軽く済んだという肩透かしばかりだったので、基礎疾患がある子どもでもインフルエンザほど深刻な影響は与えないでしょう
  • 海外では、小児がんのこどもや重症先天性心疾患のこどもがなくなった例が報告されていましたが、この子たちは風邪にかかっただけで亡くなるくらい基礎疾患が重い子でした
  • アルファ株までの段階では、こどもがコロナにかかっても、風邪で起こりえる以上のことはめったには起こらないでしょう
  • インタビュー時点の5月の段階では、ようやく12歳から15歳で使用予定のファイザー製のRNAワクチンの治験が終わった段階でしたが、10万人当たり1名のアナフィラキシーや血栓症が話題になっていました。今後多くの思春期対象に行う場合、注意深い観察が必要
  • 健康な子供に対して、ワクチンをすべきかですが、かかっても重症化するこどもがほとんどいないので、大変悩ましいところ。安全性が十分に担保されていないにもかかわらず、大人にうつさないためにこどもも打つべき、という話もあるが、大人のエゴを子供に押し付けることにならないか
  • 少なくとも十分なデータがえられていない現段階(5月)では、森内先生としては健康な日本のこどもへの接種は急ぎたくない、というのが正直な気持ち。大人が済んでからでも遅くないし、先に大人が打って副反応のデータをこどもに示すべき
  • 十歳代後半から20歳代の年代層が感染を拡大されている面はあるので、集団免疫という観点からみれば、接種する意味はある。しかし、中学生までは、海外のデータをもう少し見てからがよさそうです

と書かれています。

また3月に発行された日本医師新報社では、「こどもに新型コロナワクチンは必要か?」との質問に、森内先生は、「こどもでは重症化するリスクは稀で、稀な重症化を防ぐためのワクチンが、重大な副作用を稀ならず起こしてしまうのであれば有害なもの、とみなされます」、「新しいタイプのワクチンでもあり、成人で広く接種されて重篤な副作用が極めて少ないことが確認されるまでは、健康な子供への接種をいそぐべきではない、と私は考えます」と明確にお答えしています。

従来株やアルファ株とは異なり、第五波の中心、デルタ株のコロナはこどもにも普通に感染しているようです。これまで見られなかったこども同士のうつしあいや親が持ち込んだら子供を含め、ワクチンしていない世代は一家全滅という例も普通に散見されるようになったと、マスコミなどで喧伝されています。

ただし、感染して熱や咳、のどの痛みなどの感冒症状はでるものの、重症肺炎やMIS-C(小児多系統炎症性症候群・・・川崎病みたいなものらしい)などの重症例はゼロではないけどほとんど報告を聞かないのも事実です。マスコミとかSNSで「人工呼吸をしたこどもがいた!」とか言っているひとは確かにいますけど、赤ちゃんの百日咳やRSなんかでは人工呼吸までいく例なんか普通にいるけど、誰も注目しないからみんな気づいていないだけです。インフルエンザでは普通に脳症をおこすし。コロナよりもずっと怖い感染症は普通にあれど、ありふれ過ぎてマスコミもあまり注目していただけませんよね。

コロナワクチンの話に戻せば、現時点で国内認可されている核酸ワクチンは最低でも12歳以上ですので、小学生までの小児に接種されることはいまのところありません。小学生くらいまでの乳幼児、児童は、多くはかかっても風邪でおわるのだったら、そもそもワクチンなどいらないのではないかという考えもあります。

それでもこどもにもコロナワクチンが必要、というのであれば、これまでこどもで定評がある不活化ワクチンや生ワクチンが開発できてからでも遅くないように思います(現段階で開発中の国産ワクチンのNHK記事)。大人ではすでに核酸ワクチンが幅を利かせて、不活化ワクチンなど手間ばかり掛かり効率の悪いワクチンの入り込む余地はないと思いますが、これからの将来を担うこどもたちには、何十年の歴史があり安全性に定評のある不活化か生ワクチンを早く開発して治験をしていただきたいと思います。

8.結局どうなの?

コロナ騒動が始まって1年半。コロナ退治の切り札、とされるワクチンが始まって8か月。RNAワクチンの圧倒的なすごさを見せつけられているなか、いよいよ思春期層のワクチンが開始されます。かかっても重症化はないといわれているこれらの層に、これまでになかったRNAワクチンを接種することに悩まれている方も多いと考え、私自身もどう考えればいいのか、悩みました。子宮頸がんワクチンの時のようにきっぱりお勧めいたします、という説明になっていません。混迷をかえって深められた方もいらっしゃるかもしれません。

要は、友達が打つから俺も、みたいな安易な気持ちで打たないでください。こどもも感染することを前提に考え、保護者を含めて、「もしコロナになったらどうなるか」想像してみましょう。症状は軽いだろうが、症状が軽い重い関係なく、数週間家族みんなや友人たちは濃厚接触者として扱われ、保健所から一緒くたに隔離を命じられる。思春期がかかると「ロング・コビット」、つまり数週間から数か月、いやもっと長期間にわたり、体調不良がつつき、登校できなくなるくらいきつい状態になる人々は少なからず存在すること。しかもこれにも有効な治療法もないこと。そしてなにより感染したら、知らぬ間に他人に感染させてしまう可能性があること。ワクチンを接種したけど感染して他人にうつすぶんには、しょうがないよね、とあきらめもつくし免罪符にもなるとおもうけど、もし、打てるのに打たずにうつしてしまったら・・・ここまで考えれば、ワクチン接種する以外に方法はないようです。では今認可されているRNAワクチンやDNAワクチンのような核酸ワクチンにするか、不活化ワクチンなど、効果は正直いまいちなれど、昔から使用されて安全性には定評がある方法で作られた不活化ワクチンなどができるまで待つか・・・。決まった答えはありません。思春期といえばもう自分である程度正しい?判断ができる年代です。各自ご家族みんなで考え、かかりつけ医の意見も聞いて完全に納得してどうするか決めるしかないと思います。

診療内容:小児科・アレルギー科・予防接種・乳児健診
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