9月後半の台風14号が夏をどこかに連れて行ったようで、それから急に朝晩は涼しくなり、ゼコゼコ、ズビズビしているお子さんも多くなってきました。世間を騒がしてきたコロナ第7波も最近ではずいぶん減ってきて、先日から発生届の全数報告も不要となりました。まだ日報なるものは出さないといけませんが国もやっと重い腰を上げてインバウンド再開に大きく舵を取ってくれそうで、正直風邪に毛が生えたようなオミクロンでひどく痛めつけられてきた飲食・旅行関係者の方々、それに一番大変だった保健所をはじめ、県や市の関係者の皆様方もほっとしているでしょう
そういうわけで、これまでこのニュースも頻繁にコロナをはじめ感染症がらみのことばかり話してまいりましたが、もういいでしょう。今月は、久々に食物アレルギーの話題を。いろいろユニークな「魚のアレルギー」のお話です。8月20日、久しぶりに参加できた福岡市での学会、第50回西日本小児アレルギー研究会でも話題になっていました
今月のフォーカス いろいろ面白い「魚のアレルギー」について
1.魚アレルギーのどこがおもしろいのか
2.魚アレルギーは成人の食物アレルギーの代表格
3.1つの魚種がダメだとすべてダメなことが多い「交差反応性」がある
4.とはいえ調理法やいわゆる「青魚」、「赤身」、「白身」の魚種や部位、料理法次第によっては食べられたり食べられなかったりする
5.魚アレルギーに似た症状をおこす「ヒスタミン中毒」があり、だまされることがある
6.ある日突然、海産魚やエビが食べられなくなることがある、という事象もあり、そのケースでは「アニサキスアレルギー」の関与も示唆されている
7.サバは本当に魚アレルギーを起こしやすいのか?サバアレルギーは濡れ衣です
8.魚のアレルギーの方への食事の進め方の一案
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1.魚アレルギーのどこがおもしろいのか
魚のアレルギーは、卵や牛乳など他の食品のアレルギーとずいぶん様相が異なります。先に結論から列記しますと…
〇こどもより成人の食物アレルギーの代表格
〇1つの魚種がダメだとすべてダメなことが多い「交差反応性」がある
〇とはいえ調理法やいわゆる「青魚」、「赤身」、「白身」の魚種や部位、料理法しだいによっては食べられたり食べられなかったりする
〇魚アレルギーに似た症状をおこす「ヒスタミン中毒」があり、だまされることがある
〇ある日突然、海産魚やエビが食べられなくなることがある、という事象もあり、そのケースでは「アニサキスアレルギー」の関与も示唆されている
〇サバは本当に魚アレルギーを起こしやすいのか?サバアレルギーは濡れ衣です
などなど、こどもの食物アレルギーを扱う私たち小児科のアレルギー専門家でも厄介で、別の意味では面白い研究対象とも言えます。以後、それぞれ解説し、最後に魚のアレルギーの方への食事の進め方をひとつ提案します
2.魚アレルギーは成人の食物アレルギーの代表格
我々小児科医がいつも見ているこどもでは、鶏卵、牛乳、小麦、ナッツ類たちがアレルギーを起こす食品の主役です。一方、魚をたべてかゆくなったり蕁麻疹ができたり吐いたりとアレルギー症状をきたす「魚アレルギー」。日本人を対象に消費者庁が2017年に行った全国食物アレルギーモニタリング調査の結果、全体では1.7%と少数しか占めていませんでしたが、18歳以上の成人に絞れば、エビなどの甲殻類(17.1%)、小麦(16.2%)に続き、第3位(14.5%)と代表的な食品となっています(今井孝成、他、アレルギー 2020:69,701)
ということは、鶏卵や乳製品、小麦アレルギーのように、離乳食で初めて魚を食べてアレルギー症状がでるというより、花粉症が成立して食べられなくなる果物類などと同様、こどものころは魚を食べられていたのに、成人になったからある日突然食べられなくなったという例が結構いるということでしょう。これは後で詳しく述べますが、成人になって急に食べられなくなるケースは、実をいうと真の魚アレルギーではなく、アニサキスという魚やエビにいる寄生虫による「アニサキスアレルギー」が大部分ではないかという意見もあるようです(食物アレルギー診療ガイドライン2021、第12-10章 魚類アレルギーの記載から引用)。先ほど提示した全国食物アレルギーモニタリング調査はききとり調査という性質上、魚を食べてアレルギー症状がでたことがある、ということなので、真の魚アレルギーだけでなく、アニサキスアレルギーや、これもあとで述べるヒスタミン中毒が含まれていることをお汲み取りください
3.1つの魚種がダメだとすべてダメなことが多い「交差反応性」がある
典型的な魚のアレルギーの原因の主要たんぱく質(コンポーネントといいます)は、「パルブアルブミン」という魚の筋肉を構成するたんぱく質です。このパルブアルブミンを構成しているアミノ酸の配列は魚種間で似ており(50~80%の相同性)、このために1つの魚種、例えばマグロでアレルギーが出る人は、タラでもでる、ということが起きることが多いのです。実際、魚アレルギー患者の約50%はほかの魚にアレルギーを経験しているそうです(下の図)
パルブアルブミン以外にアレルギーを起こすたんぱく質として、「コラーゲン」ということもあります。魚コラーゲンも魚同士では構造が似ているので交差反応性、つまり1つの魚がダメならば多くの魚種でアレルギーを起こすことになります。一方、他の動物コラーゲンとは交差反応は示さないといわれています
4.とはいえ調理法やいわゆる「青魚」、「赤身」、「白身」の魚種や部位、料理法しだいによっては食べられたり食べられなかったりする
この魚のアレルギーの主要な原因たんぱく質であるパルブアルブミン。このたんぱく質は少々の加熱や消化酵素にもびくともしません。鶏卵アレルギーのこどもは、加熱調理で低アレルゲン化でき、茹で卵などなら食べられる子もいますが、魚では、文字通り煮ても焼いても食えません。しかし、さすがに缶詰のように高熱・高圧処理すれば低アレルゲン化できるといわれています。それにパルブアルブミンは水溶性、つまり水にさらせば溶けて洗い流すことができます。それで魚アレルギーの人も、ちくわなどの練り物などは食べることができることも多いといわれています
またパルブアルブミンは、魚種や部位によって含有量が異なることが知られています。例えばキンメダイやイサキ、タラ、ヒラメなどの白身魚では、マグロやカツオなどの赤身魚に比べ、パルブアルブミンの含有量が10倍から1,000倍も高いといわれています。つまり、離乳食の初期の段階でなぜかたべさせることの多いタラやタイの煮魚には意外にパルブアルブミンが多く含まれていることになります。逆に言えば、タラの煮物が食べられれば、魚アレルギーはないとも言えます
部位的には、パルブアルブミンの含有量は血合いの部分が最も少なく、逆に多い部位は腹部より頭部、尾部より腹部に多く含まれます。よって、私たちが焼き魚で負荷試験を行い場合、魚の背中側の尾っぽから始め、次に背中の頭側、そして尾っぽ側の腹部、そして内臓やあばら骨がある部分を最後に食べてもらいます
一方、魚アレルギーの原因として重要な魚コラーゲンは、水に不溶性ですので、パルブアルブミンとは異なり、練り物など魚肉を水にさらす工程を経てもアレルギーを起こします。練り物にしてもアレルギーを起こす場合は、魚コラーゲンがアレルゲンとして考えられます
5.魚アレルギーに似た症状をおこす「ヒスタミン中毒」があり、だまされることがある
いつもは魚を食べられたはずなのに、毎回ではないが時々鮮度の落ちた魚を食べた30分後くらいから、口の中がピリピリしたり、口回りや耳が赤くなったり、かゆくなったり、蕁麻疹ができたり、と食物アレルギー様症状がでたことはありませんか?白身魚ではなく、サバやマグロ、イワシなど赤身、青魚料理で多く経験したことがあれば、それは魚アレルギーではなく、「ヒスタミン中毒」の可能性が高いです。魚の食中毒、といえば昔は腸炎ビブリオだったのですが、今ではヒスタミン中毒のほうが発生数は増えてきています。ヒスタミンによる食中毒は、アレルギーの機序で起こすのではなくあくまでヒスタミンの毒性によって起きる症状です。一見アレルギー症状に似ていますので、「仮性アレルギー」と呼ばれています
魚をはじめ生物はヒスチジンというアミノ酸をもっています。魚など食品を室温など不適切な温度で保存してしまうと、その食品に含まれているヒスタミン酸性菌(モルガン菌など)によりヒスチジンが「ヒスタミン」に変換されてしまいます。食中毒としてのヒスタミン中毒発生状況を下にしめします
パルブアルブミン同様、ヒスチジンの含有量も魚種により大きく異なります。以下の図は魚種の違いによるヒスチジン含有量です。タラ、ヒラメ、カレイ、タイなど白身はヒスチジン含有量が少なく、カツオ、マグロ、ブリ、サバ、サンマ、イワシ、アジなど青魚や赤身魚には多く含まれます
そして一度産生されたヒスタミンは、残念ながら加熱料理しても分解されません。少数例ですが、丸干しや煮干し、開き干しなどの魚介乾物製品、照り焼き、すり身、ナンプラーやしょうゆなどの調味料からもヒスタミンは検出します。中毒症状など健康被害を及ぼすほどは検出されませんでしたが。しかもヒスタミンが増加しても味やにおいに影響しないので、ヒスタミンが含まれていることに気づきにくいです。ただ舌や唇がピリピリすることがあるようです。日がたった魚料理を摂取した時に舌や口唇、のどに違和感を感じた場合は、接種をやめて様子見たほうが無難でしょう。ヒスタミンの摂取量によりますが、一般的には大事にならずに数時間から5、6時間で症状は改善しますので、鼻炎やジンマシンに使用する抗ヒスタミン薬や傾向ステロイド薬などの常備薬があれば服用して入浴などせず安静にしていれば症状が改善することが大部分です。 加熱調理などでヒスタミン産生菌は殺菌できますが、すでに産生された後のヒスタミンの毒力を軽減できませんので、対策は一つ。料理に使う前の魚に含有するヒスタミンを増やさないことです
上の図は販売店でヒスタミン検出していないサバの切り身を、室温(25度)、冷蔵庫(4度)、冷凍庫(-30度)に保存して時間経過でヒスタミン濃度を調べたものです。室温25度24時間保存した場合、4,500μg/gと激増。この濃度はサバ5gを摂取しただけでヒスタミン中毒を起こす量です。4度の冷蔵庫に保存した場合、1週間はヒスタミンを検出できませんでしたが、2週間後は5μg/gと中毒を起こす量には達しませんが、増加してきました。一方、-30度の冷凍庫保存では4週間保存してもヒスタミンは増加していませんでした。ヒスタミン中毒予防には魚の保存温度、保存期間がいかに大切かわかります
6.ある日突然、海産魚やエビが食べられなくなることがある、という事象もあり、そのケースでは「アニサキスアレルギー」の関与も示唆されている
魚がある日突然食べられなくなる、というのは、先にふれた「ヒスタミン中毒」の時にもおきますが、この場合はあくまでも中毒。次に新鮮な魚の料理を摂取した時はヒスタミンが含有していない魚なので普通に食べることができます。ところが、次にのべる「アニサキスアレルギー」の場合は以後魚が食べられなくなります
アニサキスとは、海産魚やエビなどの海洋生物に寄生する寄生虫です。回虫目アニサキス科に属する寄生虫です。アニサキスは終宿主であるイルカやクジラなどの海洋の哺乳類の胃壁内に寄生して産卵します。糞便中に海中にまかれた虫卵は孵化して第2期幼虫したあと、オキアミに食べられ第3期幼虫になります。その第3期幼虫を寄生したままのオキアミが、サバやイカなどの海洋魚などの待機宿主に摂食され、第3期幼虫のまま魚介類に寄生します。このアニサキスの幼虫を寄生した魚介類がイルカやクジラなどの終宿主に食べられたらアニサキスの幼虫は成虫になりますが、寄生した魚介類がヒトに摂食されたら、アニサキスの幼虫は成虫にならずに幼虫のままヒトの胃壁や腸壁に頭を潜入し、摂食数時間後に悪心、嘔吐、そして激しい腹痛を生じます。これが典型的な「アニサキス症」です。刺身やすしなど生の海産魚貝類を食べる食週刊のある日本は、世界でも圧倒的にアニサキス症の症例数が多いです。年間7000件以上の発生があると推定されています
アニサキス症は、海洋魚捕獲すぐにアニサキスの幼虫を内臓ごととりのぞいたり、魚の生食を避けたり、加熱後に喫食する、生食する際には冷凍処理(-20度24時間以上)した青に解凍することで大幅に発症を予防することができます。残念ながら食事で使う程度の醤油やワサビ、酢漬けだけでは虫体は死にません。それに、注意が必要な魚介類は海洋魚、特にサバ(しめさばを含む)が問題になります。その他、アジ、イワシ、サンマなどのいわゆる青魚、それにイカの生食が問題となります。治療法は胃の壁に潜り込んでいるアニサキスの幼虫を内視鏡で確認して1匹残らず取り除くしか今のところ方法はありません。今のところ有効な駆虫剤は開発されていません
このアニサキスに対する食物アレルギー、「アニサキスアレルギー」はアニサキス症の一つ、と位置付けられています。アニサキスに幼虫による疾患には違いりませんが、その症状、発症メカニズムや予防法、治療法は大きく異なります
アニサキスアレルギーは、多くはアニサキスの寄生率が高い魚介類(青魚やイカなど)の生食後に、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢とともに、蕁麻疹や腫れなどの皮膚症状が出ることが多いといわれています。また、こどもの食物アレルギー、例えば卵アレルギーなどのように、すぐに症状が出ることもありますが、12時間くらいたってから出る場合があることも珍しくありません。このように摂食後から症状出現まで時間の幅があることが特徴的です
アニサキスアレルギーの原因となるたんぱく質コンポーネントはAni S1から12とトロポミオシンCが同定されていますが、どのコンポーネントがアレルギー症状をおこすのか、まだ明らかにされていません。どちらにしろ、魚の原因アレルゲンであるパルブアルブミンやコラーゲンのように、熱に強く安定なアレルゲンではないかと考えられます。確かに青魚やイカの生食後の発症のことが多いですが、虫体自体が生きていなくてもその成分を蓄積して保持していれば、加熱調理した後や冷凍して解凍した魚を食してもアレルギー症状が起きるといわれています。それに青魚でなくでもさまざまな海洋魚や甲殻軟体類がアニサキスの幼虫をオキアミを餌として捕食ことでアニサキスの成分を蓄積していることになり、多くの魚介類、甲殻軟体類でアニサキスアレルギーが起きえます
海に囲まれ、豊富な魚介類に恵まれている日本では、それこそ離乳食のころから魚のお世話になって大きくなりました。その中で、運の悪い一部の人は長い時間とともに魚料理を通じ徐々にアニサキスの成分に感作され、ある日突然、魚を食べたらアレルギー症状が出る、というわけです。最近では大人の魚によるアレルギー症状は、魚の成分による典型的な魚アレルギーではなく、「アニサキスアレルギー」であるといわれています
7.サバは本当に魚アレルギーを起こしやすいのか?サバアレルギーは濡れ衣です
ここまで読んでいただいた賢明な皆様方にはもうお判りでしょうか。一般に言われている「サバアレルギー」というのはどうも濡れ衣のようです。もちろんサバを食べてかゆくなったりお腹を壊したり、蕁麻疹などアレルギー様症状が出るのは確かですが、それは決してサバ自身のせいではないようです。ほとんどの場合、室温放置など不適切な温度管理や時間がたって傷んだサバを調理して食べてしまって「ヒスタミン中毒」を起こしたか、大人になって発症してしまった「アニサキスアレルギー」のことが多くを占めていることがお解かりかと思います
それどころか、サバには健康ブームで有名になったドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)のような不飽和脂肪酸であるオメガ3系の油が豊富に含まれています(上の図)。血液サラサラ成分として有名になりましたが、花粉症などアレルギーを抑える成分が豊富に含まれていることが知られています。基本的には魚にはこの貴重な不飽和脂肪酸が多く含まれていますが、下の図のように、缶詰で比較しても、ツナ缶、鮭缶、鰯缶など並みいるライバルに抜きんでて豊富に含まれていることが知られています。成長期の乳幼児、成長期の小中学生の骨の形成に重要な役割を示すビタミンDも豊富に含まれています。できれば積極的にサバをとらせたいものです
8.魚のアレルギーの方への食事の進め方の一案
乳児の離乳食の初めにスタンダードに使われることの多いタラやタイ、赤魚の煮物。これら白身の魚には、ヒスチジンがあまり含まれていませんし、アニサキスが寄生している率も低いので、赤ちゃんが最初に食べるには適していると思われます。それにこれら白身魚にはパルブアルブミンが豊富に含まれています。よって、初めてこれらの白身魚の煮魚を少量食べたときにどうもなければ、通常はいわゆる典型的な魚アレルギーはないと考えられます
典型的な魚アレルギーの罹患率はそこまで高くないので、おそらく普通に食べられるでしょう。もし最初に白身魚の煮魚を食べさせたときに蕁麻疹や嘔吐などのアレルギー症状がでれば、それはパルブアルブミンによる典型的な魚アレルギーの可能性があります。このケースでは、食物アレルギー診療を日常からしているアレルギー専門医の出番です。基本は経口負荷試験で、①だし汁で症状が出ないかどうかの確認。問題なければ②水煮のツナ缶でどれくらい食べてどのようなアレルギー症状が出るかの確認。症状が出現する量(症状出現閾値)がわかれば、生後10か月くらいまでは症状が出ない量を時々食べ続けていただく、③消化機能の向上を見ながら、できれば10~12か月で少量の煮魚での負荷試験開始。以後、様子を見ながら魚種を広げ、魚の料理法を煮魚から焼き魚に進めるなど、段階的に経口負荷試験で敵的に観察しながら見てゆきます
すでに年長になるまで除去指示されて魚を食べる機会がなかったお子さんには・・・①出汁や缶詰、ちくわなどのすり身など、比較的パルブアルブミンの低アレルゲン化した食材で慎重に食物負荷試験をして、どれくらいの量でどのような症状が出るか把握して、その後の食事指導や次回の負荷試験の戦略を立てる、ということになります
魚を食べられないお子さんは、カルシウムやビタミンDといった、成長期の骨形成に大切な成分が不足しがちになります(下の図参照)。魚が開始できるまでの間、卵黄やシイタケなどで代用しておきましょう
このように魚だけではなく食物アレルギ診療は一人一人状況や重症度も異なり、時間と手間がかかり大変です。また時間の経過とともに皮膚や消化管機能が改善してくるにつれ自然軽快する例、逆に今回のアニサキスアレルギーや花粉フルーツアレルギーなどのように、成長とともにアニサキスや花粉に感作された後にアレルギー症状を起こす例もあり、複雑怪奇です。なので、ほとんどの医院・病院でやらない疾患で、当院も力不足で本当はやりたくないのですが、当院までやらなくなったら大分では本当にどこも食物アレルギー診療をやらないことになります。今でさえアレルギー診療過疎の地で、当院までやらなくなったら過疎どころかアレルギー診療限界集落の仲間入りとなってしまいます。他にアレルギー診療を積極的にやる医院や病院ができるまで、及ばずながら頑張ろうと思います