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シックキッズニュース 4月号 (No.47) コロナ禍でも小さな子に流行している「ライノウイルス」感染症とは

シックキッズニュース 4月号 (No.47) コロナ禍でも小さな子に流行している「ライノウイルス」感染症とは

すっかり春になりました。それとともにコロナ消えて・・・くれればうれしいですが、どうでしょうか?春から初夏にかけて行事や行楽シーズン真っ盛りですが、なんか微妙ですね。先月にフォーカスしたコロナワクチンの国民全体への早期普及がコロナ制圧のカギになりそうです。

さて、コロナが出現してから、多くの子供さんは、感染症にかかることがぐんと減ってビックリされた方も多いと思います。ところが、です。3月に入ってから、微熱や咳で受診される、とくに乳幼児のお子さんが急に増えてきましたね。そして先月15日、東大医科研から、10歳未満のお子さんは、コロナでも「ライノウイルス」感染症だけはむしろ増えた、というプレスリリースがありました。ほとんどのウイルスが消えたと思っていた矢先の驚くべき発表でした。

そこで今月は、コロナ禍にあっても影響されず、今後大いに注目されるであろう「ライノウイルス」にフォーカスします。

 

今月のフォーカス コロナ禍でも小さな子に流行している「ライノウイルス」感染症とは

 

1.いわゆる風邪とはなんでしょうか?

2.どんなウイルスが風邪を起こすのでしょうか?

3.新型コロナのパンデミックで、風邪のウイルス流行パターンが変化しました

4.どうしてライノウイルス感染症だけが、コロナ禍の中で消えなかったのでしょうか?

5.今年の春のライノウイルスの検出状況は?

6.ライノウイルスは喘息発作を誘発します

7.おまけ:ライノウイルスが感染したら新型コロナウイルスが感染しにくくなる

 

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1.いわゆる風邪とはなんでしょうか?

こどもはたくさん風邪をひくことは常識です。風邪とはそもそも何か・・・悪魔が吹く邪悪な風によっておこるものとされ、風邪(ふうじゃ)といわれていたそうです。明治時代になり、「かぜ」と呼ぶようになりました。かつて九州大学の小児科の大教授で遠城寺式乳幼児発達検査法の発案者、遠城寺宗徳教授(なんと大分県出身)の母親向け育児書を読んだことがあるのですが、先生がそれを書かれた1960-70年代までは、風邪は寝冷えや季節の変わり目などの環境変化に適応出来ない場合におきる、と書かれており、1990年代に医者になった私は、「えーマジで」と思ったことがありました。一方、研修医時代、小児救急界の大御所で私の臨床の師である北九州市立八幡病院の故・市川光太郎院長の外来診療の陪席についていましたが、先生も風邪の子に親に、「寝冷えだよ」といつも説明されていましたのでそれも一理あるか、と思ったりしていました。

そういうこともあるのかもしれませんが、現代では風邪は主に「ウイルス感染による上気道炎」とみなされています。上気道炎とは、いわゆる「のどから上」の粘膜に主にウイルスによる感染で炎症を起こした状態です。のど、鼻の粘膜でウイルスが増えて、体がウイルスに対抗して排除する過程で炎症が起きて刺激となり、鼻水、咳、腫れ、痛み、熱などいわゆる風邪の諸症状がでる、というわけです。炎症によりウイルスに感染した粘膜の細胞が壊され修復されて、ウイルスに対する免疫ができて症状が収まってゆきます。

 

2.どんなウイルスが風邪を起こすのでしょうか?

ライノウイルス(ウィキペディアから)

急性上気道炎、いわゆる風邪を起こすウイルスはたくさん種類があります。知られているだけで200種あるといわれています。そのうち一番多く半分くらいを占めるのが今回のフォーカスする「ライノウイルス」です。

ライノウイルスには100種類以上の(血清)型があるといわれていますので、一生のうち何度でもかかります。あまりに多いためワクチンは困難で、いわゆる風邪なので抗ウイルス薬も必要とされていません。ほとんどの医者は風邪の子に対しては症状を聞いてその症状を和らげる西洋薬や、中耳炎や副鼻腔炎、気管支炎など、ばい菌による二次性の病態を起こしていると診察で判断した時には抗菌薬を処方して対処しています。

本来ならば風邪の時こそ漢方薬の出番なのです。いついっても同じ薬しかもらえない西洋薬とは異なり(しかもあんまり効かない)、「風邪は環境の変化に適応できない状況でおきる体調不良」ととらえ、個々の証や体調に合わせて、体の免疫力や自然治癒力を引き出したりすることを目的に、今起きている症状に応じて多種多様の生薬をブレンドしているものが、ツムラやクラシエなどから多数用意されています。当院のように漢方薬を処方したがる医院もないことはないですが、特に小児科では少数です。個々の状態や証を短時間で見立てるのが難しい、あまりに多種多様で、何を出せばいいかわからず、処方医に地道な勉強が必要なうえ、子供に出しても味が悪く飲んでくれない、他の医院と違うことをしている、と訝しがられたりして、残念ながらあまり評判は良くありません。が、医者が体調を崩した場合、漢方薬に頼るケースは少なからずあります(ちなみに私は漢方薬しか飲みません)。

 

3.新型コロナのパンデミックで、風邪のウイルス流行パターンが変化しました

昨年2月以降、日本でもコロナ禍が起きました。それ以降、皆様方の感染症に対する意識が上がり、「3蜜避けよう」、「不要不急の外出を避けよう」、「マスクをいつもつけましょう」、「部屋の換気はまめに」、「手洗い励行」、「マスクやアルコール消毒をしないと店に入れません」などなど・・・。おかげでいつも季節ごとにみられていたインフルエンザ、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルスによる夏かぜ、ノロウイルス胃腸炎などなど、子供を中心とした風邪の流行がなくなりました。小児科や耳鼻科をはじめとしたクリニックから患者さんが消えたのは、コロナをもらうことを恐れての受診控えもありましたが、そもそも論として風邪をはじめ感染症のこどもがいなくなったからなのでした。

さて、その中でなぜ今ライノウイルスが注目されているのか?先月、東大医科研のグループから驚くべき調査が論文報告され、3月15日にプレスリリースされました。昨年のウイルスの感染動向を調査していた国立感染症研究所と横浜市衛生研究所のウイルス分離の解析から、ほとんどの感染症が消えた中、10歳未満の乳幼児や小学校低学年児童では、ライノウイルスによる感染症だけはむしろ増加した、という驚くべき結果です。

下の図をみてください。青い線がインフルエンザウイルス、赤い線がライノウイルスの検出率です。コロナ流行前の2019年までは、年齢問わず毎年インフルエンザウイルスの検出数が上がる冬の時期にはライノウイルスの検出率が落ち、インフルエンザウイルス検出率が下がる春から夏にかけてはライノウイルス検出率が上がる、というパターンを繰り返していました。それが去年、コロナ禍が始まり、そのパターンは大きく変わりました。つまり、これまで毎年みられていたインフルエンザウイルス検出率の急激な上昇がみられないどころかほとんど検出率がゼロになりました。これは横浜のような都会だけでなく、大分のような地方でも同じようにインフルエンザが消えてしましました。そしてこれは10歳未満の子ども、それ以上の高学年から成人を問わず、どの世代でもインフルエンザが消えました。これは驚くべきことで、ベテランの小児科医の先生方も口をそろえてこんなことは初めてのことで戸惑われたいます。

一方、今回フォーカスするライノウイルスの検出率ですが、10歳未満のこどもと、10歳以上の小学高学年から成人では検出率パターンが大きく異なりました。10歳以上の小学生高学年から成人では、2020年夏にライノウイルス検出率がわずかに上がりましたが、いつも見られる夏から秋の検出はインフルエンザウイルス同様、見られませんでした。ところが、10歳未満のこどもに注目すると、2020年春のライノウイルス検出率は例年同様みられたどころか、秋の流行期には例年の20%の検出率から50%以上、つまり2倍以上の検出率を記録しました。

 

4.どうしてライノウイルス感染症だけが、コロナ禍の中で消えなかったのでしょうか?

インフルエンザだけではありません。昨年は小児科クリニックではおなじみだった様々な感染症が一斉にきえました。春先、3月から始まるヒトメタニューモウイルスによる気管支肺炎、ロタウイルス腸炎、夏のヘルパンギーナ手足口病エコーウイルス発疹症、秋から冬のRSウイルス感染症、ノロウイルス腸炎などなど。当院は感染症発生動向調査の定点医療機関ですが、週報提出用の用紙はいつも真っ白でした。強いて言えば、胃腸炎で吐くお子さんが少しいて、たまに溶連菌感染症やアデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)がすこしあったくらいですか。

コロナを恐れて少々のことでは受診控えが広まったから、とも言えますが、これは健診や定期検査や定期薬による受診ではいえないこともないですが、こどもの具合が悪くなったら、やはり保護者は心配で医者に診てもらいに行きますよね。やはりこの現象がおきたのは、皆様方の感染症防止の意識が高まって、マスクやアルコールによるまめな手指消毒が効いて、コロナだけでなくほかのウイルスまで排除され。そもそも病気がはやらなかったということが一番の理由です。ライノウイルスはピコルナウイルス科エンテロウイルス属に属します。エンテロウイルス属といえば、夏にはやる手足口病やヘルパンギーナが有名ですが、以前このシックキッズニュースで特集しました。そこでもふれたように、ピロルナウイルスに属するライノウイルスやエンテロウイルスには、ウイルスを覆う脂溶性のエンベロープがありません。今回問題になっているコロナウイルスやインフルエンザウイルスなんかにはこのエンベロープに包まれているので、これを破壊するアルコール消毒や石鹸・洗剤などの界面活性剤で簡単に殺せます。しかしエンベロープを必要としないライノウイルス(季節変わり目の鼻風邪・喘息性気管支炎)やエンテロウイルス(夏風邪)、またノロウイルス・ロタウイルス(冬季の胃腸炎)、アデノウイルス(咽頭結膜熱)にはアルコール消毒での感染防止策があまり効きません。これらのウイルスには、アルコールによる手指消毒だけではなく、石鹸を使用した流水による物理的にウイルスを洗い流す手洗いが有効です。これなら、エンベロープの有無にかかわらず感染防止に有効ですね。

アルコールや界面活性剤で壊されるエンベロープを持つコロナウイルスやインフルエンザウイルス

そういえば冬のインフルエンザシーズンになると、保育園・幼稚園・小学校なんかでみんなで水場に並んで一斉に「バシャバシャ・ビシャビシャ・ガラガラ・ペッ」とやっている風景が流されますね。そうなると手洗い場がどうしても密になり、そこでバシャバシャ・ガラガラ・ピーをみんなでやったらどうなるか・・・。その辺にウイルスをまき散らすことになります。10歳未満の乳幼児、小学校低学年のお子さんたちは、大人と違いまだまだ手洗いの技術が未熟です。おそらくこの辺の密な水場からライノウイルスは広がっていっているんでしょうね。

一般的には、子供同士の横の感染に加え、大人はすでに小さいころに何度もライノウイルスに感染済で発症防止に十分な抗体(免疫)を持っていると思われ、発症はしていないけれど無症状でこどもをお世話している保護者や保育士さんたちなど大人からの縦の流れでで気づかないうちに感染しているようです。ちょうど無症状の子どもや若者が感染を広げて高齢者にうつしている、などといろいろ言われているコロナの逆ですね。保育士さんや学校の先生が一生懸命感染防止に一生懸命やっている時に水を差すような言い方で申し訳ありませんが、良かれと思ってやっていることも、違った角度から見れば、あれ?と感じることもあるということです。

 

5.今年の春のライノウイルスの検出状況は?

国立感染症研究所が公表している病原微生物検出状況(IASR)では、3月末の執筆時点ではまだライノウイルス流行前の2月(第8週)までしか公表されたおらず、いまのところ今年どうかはわかりません。

しかし実感ですが、3月に入り急に乳幼児の鼻水、咳嗽をともなう短期間の微熱から高熱で来られる乳幼児の方が急に増えてきました。1年以上ぶりに熱を出した、といって来られる方もいらっしゃいます。例年この時期にはやるヒトメタニューモウイルスやRSウイルスの迅速診断をしても陰性で、これが典型的なライノウイルスによる風邪の流行と考えています。今まで閑古鳥の鳴いていたうちのクリニックも、3月は1年ぶりに熱のこどもたちで賑わいをみせました。おそらく今年は夏のエンテロウイルスによる手足口病やヘルパンギーナも2年ぶりに来るのではないか、むしろリバウンドするかもしれないと思っています。夏風邪の原因のエンテロウイルスもエンベロープをもたず、アルコールや石鹸などに強いからです。

 

6.ライノウイルスは喘息発作を誘発します

ライノウイルスが皆様方にあまり認知されない一番大きな理由は、インフルエンザなどのように鼻ぐりぐりの綿棒検査で「線が出たー」といういわゆる迅速検査ができないこと、そして何より“風邪”で終わることが多く重症化しないと思われ、軽く見られがちだからだと思います。それに大人はすでに子供の時に繰り返し感染して発症予防のための十分な免疫を付けており、風邪はめったなことではひかなくなります。コロナではあんなに大騒ぎしましたが、それは高齢者や大人で重症化する率が高かったからで、子供ではライノウイルス並みのかるい風邪で終わったみたいです。大分県で唯一保育園でのクラスター発生が見られ、多くのこどものコロナを診た豊後大野地区の基幹病院の先生に伺っても、念のため感染した家族どもどもみんな一緒に入院していただいたが、重症化した子供さんは幸いにも誰もいなかったとおっしゃっていました。

一方、気管支喘息アトピー体質の人たちにとっては、ライノウイルスは強敵です。風邪をひいたら喘息発作がでた、ということを経験している方も多いのではないでしょうか?実際、喘息発作を起こした人のうち80%以上が風邪をひいたことで起きることが知られており、それは喘息の子どもさんを持つ保護者の皆さんや喘息持ちの方ならば思い当たることが多いと思います。

実際に喘息発作で入院加療を必要とした子供さんのウイルスの分離状況を詳細に検討した論文はたくさんあります。最初に喘息と風邪のウイルスについてまとまったデータを出したのは1995年の英国のジョンストンらのグループといわれていますが、108名の9歳から11歳のこどもの喘息患者で、発作を起こした8割が風邪に関連しており、その多くでライノウイルスが検出されたそうです。この報告に啓発され各地で同じような喘息発作とウイルスの関連調査が行われました。その一つ、2002年のフランスからの報告では、118名の喘息発作入院児からの鼻咽頭ぬぐい液からライノウイルスが45%、RSウイルスが23%、エンテロウイルスが8.5%検出したと報告されています。日本からの報告では、2011年の群馬県立小児医療センターの加藤政彦先生たちの報告があり、174名のこどもの喘息発作時のウイルス検索のデータがあります。うち59名がライノウイルス、44名がRSウイルス、エンテロウイルスが17名、その他が19名、検出しなかったのは35名だったそうです。ここでもライノウイルスの感染が喘息の発作に関連していることが示唆されます。

勝沼俊雄先生のグループが所属する東京慈恵会医科大学の耳鼻咽喉科展望という雑誌に発表したデータ(2008年)を下の図に示します。ライノウイルス流行期の春と秋に喘息発作で来院し、検体を採取することが多く、実際分離されたウイルスの多くはライノウイルスでした。一方、海外でそれまで関連がつよく示唆されてきたRSウイルスですが、12月のみ高頻度で検出されましたが、全体的にはRSウイルスの検出された頻度は低い結果となりました。

また、年齢別のウイルスの検出率も調査していますが、いずれの年代でもライノウイルスが一番掲出されたのですが、特に7歳から15歳の年齢では半分の51%がライノウイルスであり、ライノウイルスと喘息発作の関連をますますクローズアップさせる結果になりました。

 

ライノウイルスは子供の風邪の感染症で幅を利かせているとはいえ、ぜんそく発作児でのインフルエンザウイルスやヒトメタニューモウイルスの検出率が悪かったことを考えると、ライノウイルスが喘息発作を引き起こす力があることは明らかです。

いろいろと原因が考えられています。例えば、喘息の患者さんが喘息発作を起こしているときは、ライノウイルスが人の軌道粘膜に感染するときの足がかりとなる接着分子、ICAM-1が高発現するらしく、それで喘息持ちの子にはライノウイルスが感染しやすくなる、とか、ライノウイルスが感染したらリンパ球などから産生されるたんぱく質でアレルギー症状を悪化させるサイトカインというもの(インターロイキン4、5、13などがその代表で難しい言葉でTh2サイトカインといわれています)の濃度が上がっていたので、これが喘息発作を誘発しているのではないか、とか、いろいろいわれています。

いずれにしろ、ライノウイルスによる感染が、ほかのウイルスよりもアレルギー体質の人には喘息などのアレルギー症状を悪化させることは間違いないようです。コロナ禍でもライノウイルスだけはしたたかに出てきます。だから気管支が弱く喘息持ちのお子さんや保護者の皆さんへ、ライノウイルスが流行する春、秋は喘息の発作の出現に注意して、ステロイド吸入やロイコトリエン受容体拮抗剤の長期薬の使用を怠らずに頑張って行いましょう。

 

7.おまけ:ライノウイルスが感染したら新型コロナウイルスが感染しにくくなる

3月23日にスコットランドのグラスゴー大学のグループが、感染症の一流雑誌、The Journal of Infectious Diseaseのオンライン速報で発表したところによりますと、このライノウイルスと新型コロナウイルス(SARS-CoV2)が一緒に感染したら、新型コロナウイルスの感染が起きにくくなることを試験管内では証明できるとのことです。これは、例の2009年の新型インフルエンザの際にも、ライノウイルス感染が新型インフルエンザを起きにくくしたことが言われていたので、むべなるかなです。この現象は、一般にウイルス干渉、ともいい、新型コロナとインフルエンザの間でも成立するだろうと、北里大学のワクチンで有名な中山哲夫先生も日経メディカルの記事の中でいわれています。

この論文の中のキーになるデータです。図Aの赤い実線は新型コロナウイルス単独で、赤い点線---は新型コロナウイルスとライノウイルスを同時に培養した時の新方コロナウイルスの増殖した状況です。ライノウイルスと同時に細胞に感染させたら、---のように新型コロナウイルスが減少しました。一方、ライノウイルスはどうだったか、というと、図Bのように、青の点線---のように新型コロナウイルスがあろうとなかろうと同じように増えて減っている推移を示しました。つぎにどちらかかが先行して感染が起きた場合はどうなるか、調べました。図Cは先に新型コロナウイルスを感染させてからライノウイルスを感染させた場合、図Dは先にライノウイルスを感染させた後に新型コロナウイルスを感染させたときの、それぞれのウイルスの増減の変化を時間を追って記録しました。図Cのように先に新型コロナを感染させたあとにライノウイルスを後で感染させた図Cでは、---のように確かに減りましたが、ウイルス干渉効果は不十分です。一方、先にライノウイルスを感染させ、その後新型コロナを感染させた場合、図4の---のようにほとんどパーフェクトなウイルう干渉効果がみられ、ウイルスの増殖は完全に抑制されました。つまり、先にライノウイルスを感染させると、おそらくライノウイルス感染中の細胞は栓をされたようになって、新型コロナウイルスが入り込めなくなる、ということでした。

先に新型コロナが感染させてもライノウイルスの増殖は減らすことができなかった、ということは、ライノウイルスは、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスのようにウイルス干渉の影響を受けることが少なく、ほかのウイルスの流行に左右されることがなく、同時感染が平気で起きる、ということでしょう。昨年のように新型コロナが流行のさなかであろうが、インフルエンザの大流行が起きようとも、毎年安定して流行する理由の一つと考えられます。

 

 

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